労働基準監督署が会社にやってきた話【ブラック企業に抗う】
弊社に労働基準監督署の監督官がやってきました。
今回はアポなしではなく事前に約束を取り付けてから来たようで、人事の担当と約1時間面談をし、いろんなことを指摘されたようです。
その場に私はいませんでしたが、労基から報告の電話があったので、今後会社側が取るであろう動き、労基が入ってからの会社の動き、やっておかなければいけない準備を、自分の為にここに書き記そうと思います。
1.会社が労基に説明した内容
まず、労基の方がやってきて、開口一番
「●●さん(私)から相談があり、残業代が十分払われていない事、雇用契約書ももらっていないという相談があり、今回伺わせて頂きました。労働者側からの話しか聞いていないので、お話をお伺いしたのですが」と。
急に私の名前を出されたので一瞬「!?」となりましたが、そういや最初から公表してもいいですよと話していたのと、後々ばれるし良いかな、とか考えてました。
労基からは単刀直入に、
「残業に対する決まりを教えてください。どのような計算で、どこに明記されているのか」を聞かれていて、
人事部の答えは「入社時に月●●時間の固定残業代が給与に含まれていますよ、と伝えています。」と返答をしていました。
そんなもん、口頭で言われていたとしても、雇用契約書も交付していないのに覚えてるわけないだろ!
そもそも本当に言ったのかすら怪しい。
その後も話は粛々と続き、会社側が労基に対して説明した内容は以下の通り
・固定残業代はあるし、決めてたけど伝えきれていなかった。
・そもそも残業を無断でやっていたのではないか。
・雇用契約書はちゃんとやろうと思っていたが、まだやってない。今作ってる最中。
・社員の意見はなるべく聞くようにしている。
・上司の管理が出来ていないのが問題だ。
・残業が多いのであれば、増員を図らなければいけない。
・タイムカードは使っていないし、打刻はさせていない。
・そんなに忙しい部署ではないのに、なぜそんなに残業が発生しているのかわからない。
・●●さん(私)から残業代についての請求は今まで一切なく、書面も届いていない 等・・・
なんだそりゃ。いってることがめちゃくちゃ。
私としては、上司から「仕事が終わるまで帰るな!」と常日頃から言われており、早く帰ろうもんなら「お前が早く帰るのはいいよ。でも仕事ちゃんと終わっているのか?終わってから帰れよ。そして誰よりも早く来い。」と言われたこともありました。
なので、文字通り「仕事が終わってから」帰っていました。
それなら今回の残業代請求の件・・・私は悪くないのでは・・・?
私がしっかり郵送で送った書類も一切見ていない、と。
ええ・・・デスクにおいてあったの見たよ???
それに、タイムカードはパソコンのシステムで存在していることを入社時に説明されましたけど・・・
就業規則はあったようで、労基には開示しておりましたが、やっぱり内容は不十分だったようでツッコミが入ったそうです。
2.労働基準監督署からの指摘
そして、労基からは下記の指摘が。
・入社時に労働条件通知書(雇用契約書)を交付しないのは労働基準法違反
・就業規則に残業時間の明記があったとしても、金額の明示がなければ意味がない
・36協定は有効期限が1年なので、毎年更新が必要(なんと更新していなかった)
・36協定がないとそもそも固定残業代の設定すら不可能
・請求金額は概ね外れていないので、会社側の保管しているタイムカードと照らし合わせて、間違ってなければ未払い分は払う必要がある
結局、来週に改めて必要資料(賃金台帳や勤務実績など)を労基にまとめて提出するとのことで、今週中に会社と私で話し合うことに。
話し合いの日程はまだわかりませんが、どうなることやら。
3.労基が来た後の会社側の動き
労基が来た後、大きく変わった点が2つありました。
① 会社が私のポジションの求人を募集し始めた
② 元々あった上司からのパワハラが、めちゃくちゃ過激になった
①については、単純に「労働時間が長いのであれば、増員をして解決しよう!」となったのか、「●●(私)は邪魔になったからやめさせよう!」となったかはわかりませんが、②が起きたことでなんとなくわかりました。
会社は私を退職させる方向で動くんだな、と。
そりゃーそうですよね。会社に対して未払い残業代請求した上に普通に働いてるんですから。鬱陶しくて仕方ないと思いますよ。今後は嫌がらせやミスに対しての叱責が強くなるでしょう。
というか、労基が入った直後から実際に強くなりました。
直属のパワハラ上司から
「俺の時間、お前にどれだけ取られたと思ってんの?お前が俺の残業代払ってくれるんだよな?」とか
「(取引先に提出するメールの内容を上司に確認してもらう為に提出したら)こんなんじゃ全然だめ。こんな資料作る為に時間を無駄にしてるんじゃねえよ。残業させれねえのに。お前、わざとだろ?わざと会社に不利益なことして困らせたいんだろ?」とか
ミスをした内容の紙をカバンに入れて(証拠として?)どこかに持っていこうとしたりとか。
とにかくひどい。
しかもそれをすぐ横で聞いている人事、何も言わない。
完璧な安全配慮義務違反ですよね。
会社はこれに違反している可能性があります。(というか違反していますよね・・・)
これが今後続くのかと思うと正直しんどいですし、続けても自分の為にならないのでは?と思うので、転職はいつでもできるようにしておくべきだな、と思いましたね。
おそらく来月か再来月には転職しているかもしれません。
それを見越しての求人募集だとは思いますが。
4.今後の対策について
今日の朝イチに、労基の担当の方から電話でご報告があり、打ち合わせた内容を伺いました。
その際、上記のパワハラについても再度申告し、何を言われたのか、しっかり説明しました。
労基から会社へは「次に人事の方と会う約束があるので、その際に伝えますが、労基からはそれ以上のことは出来ません。」との返答。
まーそれはわかってたんですが、じゃあどうすればいいの?って話で、朝からいろんなところに相談しまくりました。
①パワハラについて:労働組合に電話
会社には労働組合がないため、まずはだれでも入れる労働組合に電話。
入会?についての説明しかされず、具体的なアドバイスは一切なし。
電話しなくてもよかったかも・・・
②パワハラについて:法務省 みんなの人権 110番に電話
親身になって話は聞いてくれましたが、具体的にどうすればいいですよ、といったアドバイスは無し。
うーん、どこに電話したら聞いてくれるのか・・・
③パワハラについて:弁護士に相談
最初から弁護士に相談すればよかった、と思うくらい相談に乗ってくれるし、的確なアドバイスをもらえました。
簡単に言うとこんな感じらしいです
・労働基準監督署からの是正勧告に従って賃金を払ってもらえればそれで解決
・是正勧告に従わず未払い賃金を払わない場合→裁判所に出向し「労働審判」を行う。和解すればそれで解決。その場合、100%ではないが80%くらいはもらえる可能性は高い。)
・それでも会社が納得せず支払わない場合は、訴訟。会社側が悪質だと判断されれば、最大で請求額と同額の付加金の支払い命令が下る場合もある(ただし判決までに1年はかかる)※弁護士が必須
・パワハラについては録音があれば未払い残業代に乗っけて精神的苦痛の慰謝料として請求できる可能性が高い
さすが弁護士。頼りになる・・・。
ということで弁護士先生のアドバイスに従い、今後は上記の段取りで動くことにしました。
会社が納得し早期解決してくれるのであれば80%の支払いでもぶっちゃけOKですし、逆に全く納得しないぞ!裁判だ!となったらなったで証拠は潤沢にあるので、時間がかかってでもいいから弁護士にお願いして付加金含めて請求できそうかな、と。どっちに転んでも悪くない。
現状を口頭でしか説明はしていませんが、電話口の弁護士からは「聞いている限りですと会社側はかなり悪質なので、訴訟まで行けば付加金はほぼ確実に出ますね。私たちの業界で言うところのいわゆる『勝ちすじ』ってやつです。」とまで言われました。
依頼してもらうためのリップサービスかも知れませんが、専門家が言うのであれば信じてもいいかな、といった感じでした。
5.まとめと反省
今回の件でちょっと失敗したな、と思ったのは、仕事辞めてからの請求にすればよかったかな~。ってところでしょうか。
仕事中、いつ呼び出されてそういう話をされるかわかりませんし、ストレスがすごいですね。
パワハラにもだいぶ耐性ついていましたが、普通にしているつもりでもあそこまで言われるとなかなかキツイもんがあります。
結局、弁護士に無料相談していざというときはお願いするしかなさそうですし、今は労基の是正勧告を受けて会社側がどういう対応を取るのかを静観します。
そして今週やるであろう会社との話し合いをしっかり乗り越えようと思います。
長くなってしまいました・・・こんな長い文章書いたの初めてかもしれません。
明日からが不安です。大丈夫かな、俺。
最後まで見てくださり有難うございます。
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