ちっちゃなお相撲さん
彼は中学で相撲をしていた。
中学3年生になり、
同級生たちは高校相撲の強豪校からスカウトを受けるようになっていたが、
体が小さかった彼に声がかかることは中々なかった。
そんなときに、
地元青森の高校の顧問の先生が声をかけてくれた。その顧問の先生は家にまで足を運び熱心に誘ってくれた。
その熱心さに心を撃たれ、
その高校に進むことを決意した。
高校での稽古は非常に厳しかったが、
その顧問の先生はただ単に厳しいだけではなかった。
彼が東京の大学に進学する際には、
経済的な不安を案じて奨学金を受けられるように手配してくれた。
大学卒業後は山形県の高校に社会科の教員として赴任する予定だったが、
一転、大相撲入りを目指すことになった。
この決断に母親は猛反対。
結局、大相撲入りする代償として母親とは絶縁することになった。
しかし、
彼の体は力士としては非常に小さく、
相撲協会が定める基準身長にも達していなかったため、新弟子検査に不合格になった。
どうしても合格したかった彼は、
頭にシリコンを入れる手術を受け、
一時的に身長を高くしてから再受験。
なんとか合格を掴み取った。
大相撲入り後は、
自身の倍近くも体重がある力士を相手にすることもあったが、その体格差を補うために多彩な技を身に着け対抗した。
その技のレパートリーの豊富さから
「技のデパート」と呼ばれ、小結にまで上り詰めた。
取組中に負った膝のケガの影響もあり、
31歳の若さで現役を引退。
引退後は大相撲中継の解説やスポーツキャスター、旅番組のMC、大学の非常勤講師を務めるなど、相撲界以外でも活躍している。
彼の名前は、
舞の海秀平
以上、「ちっちゃなお相撲さん」でした。
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