「胸郭出口症候群(TOS)の症状を改善!筋力トレーニングで姿勢と動きを整える方法」
こんにちは!理学療法士のけんぴーです。
今回は「胸郭出口症候群(TOS)」に関するお話です。TOSに悩む方や、姿勢や体の動きに意識を持ちたい方に向けて、筋力トレーニングがどのように症状改善に役立つのか、解剖学的・運動学的な観点からわかりやすく説明していきます。
目次
1. 胸郭出口症候群(TOS)とは?
2. なぜ筋力トレーニングがTOSに効果的なのか
3. 運動学的観点から見た筋トレの効果
4. トレーニングの際に気をつけるポイント
1. 胸郭出口症候群(TOS)とは?
TOSは、首から腕に向かう神経や血管が圧迫されて起こる症状です。首の付け根付近にある「胸郭出口」という狭いスペースに、鎖骨や第一肋骨、腕神経叢(腕に向かう神経の束)、鎖骨下動脈・静脈などが詰まっていて、この領域が狭くなると神経や血管が圧迫されてしまいます。その結果、手や腕のしびれや痛み、さらには血流障害が発生することもあります。
2. なぜ筋力トレーニングがTOSに効果的なのか?
TOSの症状改善には、筋力トレーニングが非常に有効です。特に以下の点が注目されています。
1. 姿勢の改善
肩甲骨周りの筋肉(僧帽筋、菱形筋、前鋸筋)を鍛えることで、肩甲骨の位置が正しく保たれ、猫背や巻き肩の姿勢が改善されます。これにより、胸郭出口の圧迫が緩和されるのです。
2. 筋肉のバランス調整
胸筋と背筋のバランスを整えることが、小胸筋の緊張を解消し、神経や血管の圧迫を軽減します。
3. 首の安定性向上
深層頚筋を鍛えることで首全体の安定性が向上し、斜角筋(首の横側の筋肉)の過度な緊張を和らげることができます。
4. 肩関節の安定化
ローテーターカフ(肩のインナーマッスル)を強化することで、肩関節の安定性が高まり、神経の圧迫を予防します。
5. 胸郭の動きの改善
呼吸筋のストレッチとトレーニングにより、胸郭が柔軟に動くようになり、神経や血管の圧迫を減らします。
3. 運動学的観点から見た筋トレの効果
筋トレは、TOSの症状を改善するための重要な手段です。筋力の向上だけでなく、関節の可動域が広がり、神経筋制御が良くなることで、正しい姿勢を維持しやすくなります。また、血流改善にも役立ち、体の回復力を高めることができます。
4. トレーニングの際に気をつけるポイント
TOSの改善を目的としたトレーニングは、無理をせず、自分の体調や症状に合わせたプログラムを組むことが大切です。不適切なトレーニングや過度な負荷は、かえって症状を悪化させることもあるため、理学療法士などの専門家のアドバイスを受けながら進めましょう。
胸郭出口症候群でお悩みの方は、正しい筋トレを取り入れて、日々の生活をより快適にしましょう!