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【寝違えをひもとく】

こんにちは!
柔道整復師の小森崚司です。

今日は寝違えた時に身体に何が起きているのかをお伝えしていきたいと思います。

●結論
寝違えって、痛みを感じるタイミングがほとんどの場合が朝だから寝違えって言われておりますが、その人の身体の状態を把握していくと、実は昨日腕をよく使ったとか、ここ何日かいつもより座っている(立っている)時間が長かったとかという身体の使い方が原因のことがほとんどなんです。

頸椎(首の骨)は、背骨の中でも一番可動域(動かせる範囲)が広く、骨やついている筋肉も細かいところなので、少しでも動きが制限されると症状として出やすい場所です。

少しでも違和感がある方は、痛くなる前兆かもしれませんので、腕まわりや腰回りのストレッチをお勧めします。

ムチ打ちのような頸椎自体に直接的に力が加わるような怪我以外で出る痛みは、下記のような要因が考えられます。

①骨盤や頸椎より下の背骨の動きの制限
②腕や胸の筋肉の緊張
③肋骨が下がる

これらの問題が解決されれば、炎症が起きていない限り、その場で痛みはなくなります。

詳細は下記をご参照ください

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■骨盤、背骨の動きの制限
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まず、骨盤と背骨の動きの制限ですが、

僕の経験上、寝違えの6割の原因が骨盤の骨の真ん中にある”仙骨”という骨の動きに制限がかかることで起きています。

仙骨の動きは、動いたとしても2mmくらいの動きなので、表面から見てもわからないのですが、仙骨は動く軸が3つあるので、いろんな姿勢でもバランスが取れるようになっているんですね。

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この仙骨のゆがみは、座っている時や立っている時に、片足に体重を載せている時間が長かったり、がに股で腰を反らすような動きをすることが多い方によくみられます。

仙骨の動きの制限が出てくると、その上に乗っている背骨は、そのゆがみを庇うように位置がずれていきます。
背骨のうち、腰椎(腰の高さにある背骨)と胸椎(背中の高さにある背骨)は、もともと動ける範囲が大きくないので、感覚的にはあまり感じることはありません。

そのため、頸椎(首の骨)に症状が出てしまうということが起きます。

なので、仙骨の動きの制限を取ってあげると、6割の方がその場で症状が改善します。


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■腕や胸の筋肉の緊張
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次に、腕や胸の筋肉の緊張が原因の寝違えについてみていきます。


一度体験していただきたいのは、片方の手を”前ならえ”の状態にしていただいて、前に出した手と同じ方向に顔を向けてみてください。
手を下ろしている状態で顔を向けるより断然向きにくいですよね。

簡単に言うとこういった状態が、身体の中で起きています。

もう少し深掘りしていくと、
胸の筋肉(大胸筋、小胸筋、烏口腕筋)
肘を曲げる筋肉(上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋等)
握力に関係する筋肉(前腕屈筋群等)など

細かく言うともっとあるのですが、
これらの筋肉が緊張することで、肩を前方向に引っ張る力が加わってきます。
先ほどの”手を前ならえの状態”にした時と同じことが起きている状態ですね。

これらの筋肉の緊張が取れないと、朝起きたタイミングで首が動かなくなったということが起きます。

筋肉の緊張による寝違えは、原因の筋肉の緊張をストレッチで伸ばしてあげるだけでも改善しますので、
腕の筋肉を使っている人は、上記の筋肉のストレッチを検索して試してみてください。

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■肋骨が下がる
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肋骨が下がる原因については、6/10の記事「巻き肩をひもとく」に書いてありますので、そちらをご参照ください。
https://note.com/kenkoulabo/n/n3862914c2cdd


今日は、最近来られたお客さんのゆがみを交えてお話しします。

50代の男性で、10年前くらいに左の膝のお皿にヒビが入ったそうです。(左膝蓋骨不全骨折)
そこから、膝の症状は全くなかったのですが、最近新型コロナの影響で運動不足だったため、プランク(体幹を鍛えるやつ)をやり始めて2〜3日後から首が痛くて上を向けなくなってしまい、来院されました。

僕が最初に手をつけたのは、先ほどの”仙骨”ですが、症状はあまり変わりませんでした。
腕を使っている感じもなかったので、左膝の骨折の話を効いていた僕は、左もも前の筋肉を軽く緩めると、首が少し改善したので、下記の図のゆがみがあるだろうとイメージを固めました。

もも前のストレッッチをして、肋骨を引き上げて、胸の筋肉のストレッチをしたら、首の動きの制限は取れ、ほぼ痛みが改善しました。

このように、過去の怪我が原因で寝違えになることもあるので、ストレッチをして治らない場合は、専門家に診てもらいましょう!

以上です。

画像の提供
73496によるPixabayからの画像

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