34. 鉄の過剰摂取で癌リスク。その「めまい・ふらつき」は貧血ではない!?
クラっとくる「めまい・たちくらみ」。貧血だと思って鉄剤を摂るのは危険です。
病院を訪れ「貧血なので鉄剤が欲しい」という方は、低血圧が原因のほうが多いというのです。
男性に比べて女性の方が長寿の原因は、「毎月鉄を捨てているから」という説もあり、過剰摂取にはリスクを伴います。余分な鉄は排泄されず、体内に蓄積されます。金属ですから、大事だけれども、ありすぎていい感じはしませんよね。
高齢女性対象では、鉄サプリメントの使用が総死亡率を上昇させることが認められました。男性が総じて女性より短命であるのは周知のとおり。
鉄の蓄積が多くの慢性疾患の発症を促進する。
鉄/ヘム鉄の過剰摂取は、乳がんなど婦人系や膵臓がんのリスクが増えることがわかってきており、ヘム鉄摂取量が1 mg /日増加するごとに食道がんのリスクが21%増加したという研究報告があります。逆に、
非ヘム鉄の適量摂取は食道がん・結腸直腸腺腫の予防効果がある可能性が。特にアジア人において鉄の総摂取量が5 mg /日増加するごとに食道がんのリスクが15%低下するという報告もあります。
どの栄養素もさまざまな関連があり、誰でもということはありえませんが、わざわざリスクを買うのは避けたいものです。
自己判断で、鉄サプリメントや強化食品を摂取せず、病院で本当に貧血なのかどうか調べてもらい、処方をもらいましょう。
短期的な鉄剤の服用でも副作用が出たらすぐに使用を中止してみるべき。主な副作用に心当たりはありませんか?
胸焼け
吐き気・嘔吐
倦怠感
胃痛
下痢・便秘
ふらつき
気分不良
発疹・かゆみ
ショック
肝機能障害をおこすかも知れませんよ。
まずは貧血は体質だと思いこんでいる方は血液検査をしてもらいましょう。低血圧が原因なら鉄剤は無用の病気の元になります。
次回は、貧血ならどう鉄を摂るか。
レバーやカキを続けて毎日食べるなんて非現実的。こんな方法はどうでしょうか。
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