トランプ政権時代(2017-2020)の政策と市場の動き:株式市場と為替への影響を振り返る
2017年から2020年にかけてのトランプ大統領の政策は、米国経済に大きな影響を与え、株式市場や為替の変動を通じてその効果が現れました。特に、減税政策や米中貿易摩擦、新型コロナウイルスによる景気対策が市場にどのように反映されたかを振り返ってみましょう。
減税政策と株式市場の上昇(2017年)
トランプ政権の初期に導入された「減税・雇用法」は、法人税率を35%から21%に引き下げる大規模な減税政策でした。この政策の目的は、企業の利益を増やし、国内での投資を促進することでした。結果、企業の収益性が高まり、株価は一気に上昇。特にテクノロジー企業や金融株が大きな恩恵を受け、ダウ平均株価やS&P 500は好調に推移しました。
ポイント
• 株価の上昇:減税効果を受け、2017年から2018年にかけて株式市場は急上昇。
• 為替市場の反応:ドルは強含みで推移し、減税による企業の資金還流がドル需要を押し上げる一方、米中貿易摩擦が発生し、ドルの上昇が限定的となる場面もありました。
米中貿易摩擦と市場の不安定化(2018年~2019年)
2018年からトランプ政権は中国に対して高関税を導入し、米中貿易摩擦が激化しました。中国も報復関税を課し、両国間の経済摩擦がさらに拡大。これにより、不安定な市場環境が続き、特に工業株や輸出関連銘柄が影響を受ける形となりました。しかし、一部のテクノロジー株は堅調を維持し、2019年には再び株価が回復しました。
ポイント
• 株式市場の波乱:米中貿易摩擦により一時的に株価が下落する場面があり、2018年末には大きな調整局面が訪れました。
• 為替市場のリスク回避:ドルが一時的に円やスイスフランなどの「安全通貨」に対して強含む状況も見られました。
新型コロナウイルスの影響と景気対策(2020年)
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大は世界経済に深刻な打撃を与えました。米国も例外ではなく、ロックダウンや企業活動の停滞が経済に影響を与えました。FRB(連邦準備制度理事会)は緊急利下げと量的緩和を実施し、さらにトランプ政権は数兆ドル規模の経済刺激策を打ち出しました。その結果、2020年3月の「コロナショック」から急速に株価が回復し、年末にはS&P 500やナスダックが過去最高を更新する結果となりました。
ポイント
• 株式市場の回復:コロナショック後、FRBの金融緩和と財政政策の影響で急速に回復。
• 為替市場の動向:FRBの利下げによりドルは一時的に下落しましたが、景気対策の進展で投資家心理が改善し、ドルが再び強含みで推移しました。
まとめ
トランプ政権下でのアメリカ経済は、減税や金融緩和を中心に株式市場が活性化しましたが、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスなどの不確実要素が市場に波乱をもたらしました。それでも、FRBの迅速な対応と財政支出の強化により、最終的には株式市場が総じて好調な水準を維持する結果となりました。
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