29番 麦門冬湯(ばくもんどうとう)

風邪症状には葛根湯、インフルエンザは麻黄湯、鼻炎症状なら小青竜湯、咽頭痛から桔梗湯、咳なら麦門冬湯…ってのが、自分の定番です。もう少し、なにか広がりが欲しい… と思って始めた番号順漢方学習(from 岩田健太郎先生)。

咳処方のバリエーションとしては、風邪の初期として、実証で麻黄湯、虚証で桂枝湯、中間証で葛根湯。マイルドにいくなら香蘇散、攻めてる印象として麻杏甘石湯ってのも、ちょっとこなれた感がありますよね〜(これは咳っていうにはちょっとずれた感じかぁ…)

長引く咳には90番台の清肺湯(90)、竹筎温胆湯(91)、滋陰至宝湯(92)、滋陰降火湯(93)。94番は欠番なので、その続きとして、五虎湯(95)、柴朴湯(96)。それぞれの使い分けは、90番台をお待ち下さい。90番台以外では、参蘇飲(66)、神秘湯(85)、苓甘姜味辛夏仁湯(119)がありますね。

これを資料を見ずに、つらつらとでてくるようになれれば良いんですけど。まだまだ道のりは遠い…

使用目標(証)

本方は、体力中等度ないしやや低下した人の発作性の激しい咳嗽(時に顔面紅潮と呈する)を目標に用いる。一般に、粘稠性喀痰、乾咳、咽喉の乾燥感・違和感、嗄声などを伴うことが多い。上記症状を伴う妊婦、高齢者の咳嗽に頻用される。また、単なる口腔・咽喉内の乾燥感にも用いられる。

組成

麦門冬(ばくもんどう) 粳米(こうべい) 半夏(はんげ) 人参(にんじん) 甘草(かんぞう) 大棗(たいそう)

勝手にポイント

初診時ではなく、遷延する咳に対して使うイメージ。

麦門冬はユリ科の植物の根。糸肺の気を補い、津液を補う。(順肺補陰薬)

粳米はうるちまい(=玄米)で、潤す効果。(補気補陰薬)

半夏は肺の気逆に効果。

人参、甘草、大棗は定番の脾胃に作用する隠し味、