2番 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

葛根湯加川芎辛夷にはちょっとした思い出があります。同じ頃、開業した先生が、「僕は葛根湯は出さない。葛根湯加川芎辛夷の方は好き。」と言われてました。当時は、そんな漢方薬の名前は知らなかったので、「そんな方剤もあるんだな…」くらいにしか思わなかったのですが…
その後、その先生が閉院されて、再び勤務医に戻られました。開業しても必ずしも、ビシネスとして成功するとは限らない… 全然関係ないですが、葛根湯加川芎辛夷をみると思い出すエピソードです。

使用目標(証)

本方は、比較的体力が充実した人の鼻閉、鼻漏、後鼻漏などを目標に用いる。鼻漏は水様性からやや膿性のことが多い。腹部は腹力中等度で臍上に圧痛点を触知することがある。一般に項背部にこわばり、肩こり、頭痛、頭重、前額痛などを伴う。

組成 

川芎(せんきゅう);血の巡りを良くする活血薬(駆瘀血薬)。鎮痛作用もあり。 
辛夷(しんい);こぶしの蕾 
葛根(かっこん) 
麻黄(まおう) 
桂皮(けいひ)
芍薬(しゃくやく) 
甘草(かんぞう) 
大棗(たいそう) 
生姜(しょうきょう)

勝手にポイント

葛根湯+川芎+辛夷=葛根湯加川芎辛夷
鼻閉にある鼻炎、副鼻腔炎に使用
川芎+辛夷で頭痛にも効果。
鼻炎に使う小青竜湯は水っぽい鼻水に、葛根湯加川芎辛夷は鼻詰まり。ネバネバの膿っぽい鼻汁は辛夷清肺湯。

参考資料
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 葛根湯加川芎辛夷