48番 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
即席うどん「どん兵衛きつねうどん」のだしが関東と関西でちがう話は有名ですよね。関西版は昆布だし主体の薄味、関東版はかつおだし。境界は滋賀と岐阜の間、まさに関ヶ原付近だったそうです。(出典;どん兵衛が東西で味が違う理由-「境界線」は天下分け目の関ケ原)
漢方薬にも日本と中国でシェアが大きく異なるものがあります。日本は湿度が高く、水分もとり過ぎになりがちで、そのため胃腸の調子がおかしい人が多い。だから、六君子湯(43)がよく使われる。一方、空気が乾燥した中国では六君子湯のニーズは少なく、四君子湯のシェアが大きい。
住む場所が変わると、体質も変わって使う漢方薬も変わるのかしら?!
ちなみに、四物湯類(川芎、当帰、地黄、芍薬を多く含むもの)としては、今回取り上げる十全大補湯(48)の他、当帰芍薬散(23)、帰脾湯(65)、加味帰脾湯(137)があります。
使用目標(証)
本方は、病後、術後、慢性疾患などで、体力、気力ともに衰弱した例に用いる。腹部は軟弱で、しばしば腹部大動脈の拍動を触れ、脈は弱いことが多い。一般に疲労倦怠感が激しく、顔色・皮膚の色沢不良、貧血、盗汗、口内異常感、微熱などの症状を訴える。
組成
黄耆(おうぎ)
桂皮(けいひ)
地黄(じおう)
芍薬(しゃくやく)
川芎(せんきゅう)
当帰(とうき)
人参(にんじん)
白朮(びゃくじゅつ)
茯苓(ぶくりょう)
甘草(かんぞう)
勝手にポイント
気血両虚の薬
四君子湯(75)+半夏+陳皮=六君子湯(43)
四君子湯(75)+四物湯(71)=八珍湯(エキス剤なし)
四君子湯(75)+四物湯(71)+黄耆、桂皮=十全大補湯(48)