3番 乙字湯(おつじとう)

このマガジンは神戸大学の岩田健太郎先生の「つまづきから学ぶ漢方薬」と、ツムラさんからいただいた「漢方製剤活用の手引きー証の把握と処方鑑別のためにー」をベースに書いています。岩田先生の著作で、アプリ「プロ漢方」を勧められていたので、早速購入。(結構なお値段でしたが…)

なんとなく知ってはいましたが、番号がついていない方剤もいっぱいあるんですね〜 番号順での勉強が一段落したら、番号がついていない漢方薬についても学んでいきたいです。

もっと踏み込めば、エキス剤でないものをトライしてみたいですが、あくまで自分の立ち位置は、フツーの内科開業医なので、あまり漢方薬に振れすぎても…とブレーキをかけるもうひとりの自分もいます。

使用目標(証)

本方は、体力中等度の人を中心に、比較的症状が激しくない肛門部疾患に用いられる。腹部では肋骨弓下部の抵抗・圧痛(胸脇苦満)を認めることが多い。一般に肛門の疼痛、軽度出血・掻痒、便秘などを伴う。

組成

柴胡(さいこ) 大黄(だいおう) 黄芩(おうごん) 当帰(とうき) 升麻(しょうま) 甘草(かんぞう)

勝手にポイント

実は柴胡剤。

原南陽(はらなんよう)先生の約束処方の2番目だったから、甲乙丙の乙で乙字湯。

柴胡はセリ科の植物の根。気を巡れらせてうつ熱を取る。

黄芩はシソ科の植物の根。清熱、止瀉、止血の作用。

大黄はタデ科の植物。下剤。

升麻はキンポウゲ科の植物の根。熱を取る。発汗作用。

当帰はセリ科の植物の根。補血薬。