38番 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょきょうとう)
「熱さまシート」「のどぬ〜る」「トイレその後に」と言えば小林製薬の死製品。「アイボン」なんて、まぶたと一緒に眼球表面洗うってどうなん…って感じる製品もありますが、ラインナップをみると、その欠点を凌駕するネーミングセンスを感じます。
今回の当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、漢方エキス剤の中で最長の名前。ちなみに、最も飲みにくい漢方エキス剤との話も聞いたことがあります。
参考資料;https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1982/46/1/46_1_21/_pdf
使用目的(証)
本方は、体質虚弱で、平素より四肢冷汗が訴える人の寒冷に伴って増悪する下腹部痛、腰部、四肢の痛み・冷感を目標に用いる。腹部は、腹壁の緊張がやや弱く、しばしば臍下部に抵抗・圧痛(小腹硬満)を認めることがある。一般に、冷えに伴う下痢、頭痛、頻尿、悪心、月経異常などを伴う。女性に比較的多く用いられ、また下腹部、腰部に外科的手術の既往があり、上記症状を訴える場合にも用いられる、
組成
当帰(とうき) 呉茱萸(ごしゅゆ) 生姜(しょうきょう) 細辛(さいしん) 桂皮(けいひ) 芍薬(しゃくやく) 木通(もくつう) 甘草(かんぞう) 大棗(たいそう)
勝手にポイント
最も名前の文字数が多い漢方薬。
手足が冷えて、あちこちが痛む方の漢方薬。
しもやけ、手足の動脈硬化・血行障害にも使う。原発性のレイノー症候群に効く。(二次性にはあまりきかない…っていうか、西洋薬での治療優先。)
当帰は虚証の方の補血に使う。
呉茱萸は冷えと頭痛の治療薬。
生姜、細辛、桂皮は温める薬。
芍薬も血虚の薬。血の巡りを良くする薬。
木通はアケビ。清熱利の薬だが、桂皮や細辛との併用で血の巡りを良くする。
甘草、大棗は脾を補う。当帰や芍薬の作用を高める。