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【#030】私の性格②
今でも記憶にある、私の幼稚園時代の話です。
私は仲間を連れてお菓子屋さんから万引きを繰り返していました。
お菓子が欲しい訳ではなく、スリルが欲しかったのだと思います。それを見つけた父親が「お菓子を盗んだだろう」と私に問い詰めました。
私は「盗んでいない」と答えたところ、父親は「親に嘘をつくとは何事か」と強い口調で言ったかと思うと、私が一番大事にしていたオモチャをすべて壊して庭に放り投げてしまいました。もちろんいつものように風呂場にも閉じ込められました。
でも、お菓子を盗んだことは一言も叱りませんでした。
この位、父親は嘘をつくことが大嫌いでした。
今思えば幼稚園児の私を一人前として認めてくれていたのだと考えられます。そしてその後も同じように一人前に扱ってくれていたようです。
そして小学校3年に進級する前に父親が「夏に海水浴のできる学校があるから、行ってみるか」と2年生の私に聞くのです。私はついつい海水浴に乗せられて「行く」と答えてしまいました。
これも2年生の私を一人前として扱い、そして自分の言ったことには自分で責任を持たせるという方針だったと思います。
これで私は1年間親元を離れ、当時千葉県の岩井にあった学校の寮生活を経験しました。
いわゆるそこは病気を持った児童の養護学校だったのです。健康体だった私は1年間、そこでも悪戯ばかりしていました。