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実体験から感じた田舎のIT人材不足と地方での職としての関わりしろ

IT系のリモートワークでの田舎暮らしの話題は最近多く見聞きするようになってきました。これらの多くは都市部のある程度の規模を持ったIT企業でスキルを身につけた方が、その企業の制度を元に田舎に移ってリモートワークをする事例が多いかと思います。この方法は今後の働き方を考えるのにもちろん重要なものですが、現状はある程度規模や制度が整った企業が中心のようです。

今回はITスキルを元に田舎の企業で働くまたはサービスを提供することについて私自身が現在おかれている境遇と経験、および周囲の事例をもとに紹介します。

これは(自分がやりたいと思える)仕事が少ないといわれる田舎にUターン・Iターンでの移住や、いわゆる「関係人口」として地域活性化事業に関わったり独立して事業を始めることを考えている方の選択肢のひとつだと考えています。


現在、私は人口密度40人/km2ほどの過疎地で地域おこし協力隊として活動しております。その中でとある地元企業と知り合い、共同で地域支援に関わるウェブアプリを共同で開発することとなりました。

経緯はとある講習会で先方の役員の方と知り合ったことです。先方の事業のお話を聞いたり、逆に地域おこし協力隊としての私の活動内容や先方の地元でもある活動地域、それから前職や学生時代の専門についての経験について情報交換をしました。先方の事業が自分の活動にも活かせる部分があり、色々とお話をしているうちにアルバイトという形でまずは少しお仕事をさせていただくことになりました。(現在の地域おこし協力隊が副業可ということで)

さらにその中で、先方が新たに地域支援に関連するウェブアプリを制作しようとしている話があり、それに協力してくれないか?ということになりました。「若いから勉強すればできるでしょ?」ということで。(若かろうが何だろうがゼロからスタートがしんどいことに変わりないのですが…笑)

ウェブアプリの開発経験など皆無だったので、当初断ろうと思ったのですが先方より周囲にできる人がいないことと、プログラミングのオンラインスクールの受講費など代わりに負担するということ提案していただき、実際に制作に携わることとなりました。

実際、地域おこし協力隊の任期終了後の仕事として過疎地でできる仕事というのは私自身にとっても大きなメリットです。ほとんど独学で製品作りに携わるというのは、ITスキル自体の技術向上には不向きかもしれませんが事業の深い部分やビジネスプランに関われることはそれに変えがたい経験値を得ることにつながるでしょう。

そして企業の方にも私のような素人に頼まなければいけないほど、周囲でIT人材を確保できないという事情もあったのだと思います。


このように私のような素人ですら、IT関連の人材としての需要があるわけですから、当然周りには自身のスキルを活かして地元の企業と仕事をされて、Iターンで生計を立てている方がいます。

私の知り合いには東京のIT企業でウェブ制作などの経験を積み、現在はある地域の企業と共同でウェブサイトの制作と同時に、それを通じた企業のマーケティングにも関わっているそうです。ただサイトを制作するたけでなく自分自身も経営に関われることが魅力的だとお話されていました。

自分のスキルをうまく地元の企業のニーズを深掘りして仕事を生み出し、過疎地での生活を成り立たせており、私自身を今後を考える上で大変参考になりました。


地方で仕事は見つけにくいと言われていますが、実態は周知の通り常に人材不足です。特にIT系は顕著で、現在スキルがない人でも地域の実態や相手の企業についての知識や興味があればこれからIT人材となっていける可能性も十分あります。すでにスキルを持っている人であれば、地域との接点をもち、相手のニーズを探っていけば多くの仕事を作れる可能性があります。

では実際どう関わりをもって案件を得るのか。私の経験でいえば、まず第一に「新しく事業を始めてやろう!」といった勢いや「これやってみたら面白そう!」という好奇心の強い方が集まる具体的な内容を持った有料のセミナーやミーティングに行ってみることです。

なぜなら極端な話、「とりあえず人が欲しい」、「とりあえずネットでなんかやってほしい」という企業で安く使われては本末転倒だからです、熱意をもって共に取り組める相手と出会うことが重要です。

ITスキルありき、ではなく相手がやろうとしている事業、作ろうとしている製品に自分がとれだけ共感できたり敬意を払い、それに関連知識をもって会話することができるかで相手からの信用も高まるでしょう。

そしてそういった人と接点をもつために何度も地域へ出入りして、自分ができることを言葉と行動あるいは情報発信で周囲の人に示していくことが必要だと考えます。実際に仕事をし始めたらリモートワークとなる可能性も高いですが、情報の出にくい田舎だからこそ、まずはアナログでの関わりが大切だと私自身実感しています。

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Kentaro
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