共同マガジン参加で感じた、地方プレイヤーが地域を飛び出し共闘する意義
これから動き始める地方プレイヤー、特に私のような地域おこし協力隊はどうしても「地域」という漠然とした言葉に紐付く地理的・行政的範囲と付随する人間関係に行動や思考をとらわれがちです。
もちろん地域で活動するにあたり、地元コミュニティに参加することは大事です。地域で生活を支え合うことはその中で協力して何かを始めるのもいいと思います。しかし、人が少ない地方コミュニティでは地元出身者の集まりにしろ、移住者の集まりにしろ、なにかと常に同じメンバーが集まるため閉鎖的な面を持ち、時に意見が偏ることもあります。
また、地域の優良事例などの情報も「その地域では」よい、とされているものが中心となります。もちろんそれらは大切です。しかし、現在自分自身がやろうとしていることの場所、状況、時制、規模感、メンバーそして自身の哲学を鑑みた際にその情報だけでは不十分であったり方向性が違う場合も往々にしてあります。
実際、私自身も地域おこし協力隊として現場に入ってみて、市内の多くの活動事例について知る機会がありましたが、同じ市内でも地区ごとに全く状況が違いました。
市内においても移住者が多く、その方々を中心とした様々な活動団体が精力的に事業を展開する地域。あるいは共通の特技を持った方達が集まって結成され事業を行う団体など。私の活動する地域はいわゆる「まちづくり」的な活動は相対的にみるとかなり少ない方なので、これらを対等に比較するのは難しいです。
そして起こりうる一番の悲劇は下記の記事にあるような「崇高な使命」を地域という枠組みで無理やり掲げてやめられなくなってしまうことかもしれません。
だからこそ、地方プレイヤーは時に「地域」という枠組みは大胆に飛び出してしまうのがいいと思います。そして今回この「地方のリアルがわかるリレーマガジン」に参加させていただいて、改めてそれを強く認識しました。
地域内に留まっていては絶対に出会えなかった方達
農業、林業、公務員、様々な事業の経営者等々、そして同じ地域おこし協力隊として、でも自分とは違った活動をされている方々。もちろん交流はLINEグループ程度で、ほとんどの方とはお会いしたこともありません。
しかし、こういった様々な背景と経験を持たれた方達と記事執筆という作業とそこでのグループチャットだけとはいえ、時にそれぞれ専門性を持った方々が取り組まれている事業や時事ネタへの意見交換など生のコメントをやりとりできるのは大変貴重ですしありがたいことです。これは地域内に留まっていては到底経験できませんでした。
敢えて地域という枠組みを外すことで客観的な意見交換ができる
地域で何か事業を行う際にその地域のことをよく知って、そこに合わせた行動を取ることはもちろん必要ですが、あまり地域にこだわり過ぎると絵に描いた餅、とでもいうのか既に書いたように「地域の当然」と「世間の当然」がずれてくる場合があります。
そんな時に必要なのは客観的な視点で、それは地域というバイアスを外した関係でこそはっきり出るのだと思います。特にこのマガジン参加を通して感じたのは、各々が実際に取り組んで経験されたことを事業内容や商品開発あるいはお客様との向き合い方などについてのお話は大変説得力があり、学びになるということです。
また、こうして地域を飛び出して出会った世界でで得られた知見を地域に持って帰って発揮するもいいですし、あるいはそこで出会った方意気投合して次の行動に繋がることだってあるかもしれません。これらこそが、私が共同マガジン参加で感じた、地方プレイヤーが地域を飛び出し共闘する意義です。
今回は私がこのリレーマガジン参加を通して感じた「地域を飛び出すこと」について書きましたが、当然これに限ったことではありません。というわけで、これから動き出すみなさん、時にはおもいきり飛び出して行きましょう。
共同執筆によるリレーマガジンのメディアとしての可能性については木下さんがこちらで書かれていますが、今回は地域おこし協力隊であり、新米地方プレイヤーである私自身が今回の経験で感じたことを書かせていただきました。
(ひとつ付け加えるとこれからも引き続き「地方のリアル」をお届けするこのマガジンの次の「声」の書き手はこれを購読中のあなたかもしれませんね。)
いただいたサポートは農地開拓や古民家活用の等の活動と、インプットのための書籍に使わせていただき、お役に立てる記事執筆の糧とします。どうぞよろしくお願いいたします。