「流れに従って生きる」ー再独立編ーACT66:大どんでん返し
私の携帯電話にST様から突然の電話が入りました。
E氏からの話を聞いての電話だろうと思い、私はすぐに「もしもし白鳥です。お世話様です」と電話を取りました。
STさま「ちょっといいかな...」と意味深な言葉から話し始めました。
私「今回は、せっかくお知り合いになったのに申し訳ございません。」
STさま「今日、Eさんから電話があっていろいろと事情を聞きました。近いうち会って直接お話をしたいのだが・・。」
私「あ・・はい。構いませんが・・。」
STさまからのご要望を無理に断る理由もないので、私は流れに従ってお会いすることにしました。
STさまは鋭い勘の持ち主であることは薄々感じていました。
E氏の茶番劇電話も、会社の本当の様子も見抜いているのでは・・と感じていました。
そして、私が仙台を離れる2週間くらい前にファミレスでSTさんと会いました。
STさんからの質問
STさんからは、
○ 本当に結婚するために岩手に戻るのか?そうは見えないということ。
○ 木の香の家に家づくりをお願いしていたつもりはなく、白鳥君にお願いしていたつもりであったこと。
○ 設計中、なにか奥歯に物が挟まった感じで私が話を進めていたこと。
など、いろいろ聞かれました。
STさんにはウソを言っても通じないことは分かっていたので正直な事情を話しました。
設計段階で言いたいことを言えず、奥歯に物が挟まった状態だったのは、
E氏が自由設計を認めなかったことが要因でした。
プランの発想は色々ありましたが、展示場と「同じ形」でないとダメだと強く制約を受けていたのです。
E氏の狙いは、同じ形の住宅を大量生産することで回転を上げ、効率よく利益をあげるという机上の計算でした。お客様が、その枠からはみ出すような要望を言い出すと、いろいろと問題点を並べて結局は展示場と同じ形の枠に納めようとするのです。まさに大量消費を目指すハウスメーカーの考え方でした。
STさんは、私の今後について質問されました。
私「岩手で彼女の実家の家をとりあえず建てます。それ以降は決まっていません。」と説明しました。
そうすると、STさんは「仙台でも建てられるか?」と聞いてきました。
私は「もちろん出来ます。やらせていただけるであれば、今までのプランとは比べ物にならないような納得いく住宅を提案します。」と正直に話しました。
そして、STさんとのその後の話し合いで、㈱木の香の家との「契約の当日」に「契約白紙」を申し入れることが決まりました。
新たな流れ
また1つ「流れ」に乗ってきた予感がしました。
きちんと進めば、細々と春までは食べていける。
その間に春からの仕事を探すという明るい流れが見えてきたのです。
「先の仕事が見える」、「しばらく経済的に食べていける」・・ということが「当たり前のこと」ではなく、「うれしいこと」「精神的に安定できること」という強い感覚を受けました。
契約日当日
契約の日、E氏は判子と契約書を用意して、私の親代わりになったような口調で「このたびは白鳥がご迷惑をおかけする形に・・云々」と流暢に言葉を並べました。
しかし、STさまからは「最後まで担当者が同じだと思っていたので、話が違うのであれば、この話は白紙にしてください。」という旨が伝えられました。
お金に執着心の強いE氏です。
得意の論理展開で何とか契約に持ち込もうと食い下がりましたが、そんな、若輩者の会話テクニックなどSTさまには通じませんでした。
STさまが会社を立ち去ったあと、当然ですがE氏は契約不成立の責任を私のせいにしました。
そして、お詫び料としてSTさんが置いていった封筒の中身を見て「たった1万円かよ!」とケチをつけていました。最後の最後まで醜態を目にし、E氏と別れて本当に良かったと思わされました。
そしてSTさまには、わざわざ「契約白紙」という面白くない手続きのためにご夫婦で事務所までご足労していただいたことに、ありがたくも非常に申し訳なく思いました(><)
E氏の描いたイメージとは真逆に進む展開
退社の条件の1つだった「STさまの契約まで、白鳥の方から一切の電話をしないこと」は一応守りました。
STさまの契約までの道筋はE氏の手腕にゆだねる形になったわけですが、「契約が不成立」になるどころか・・E氏の思惑とは真逆の、「私(白鳥)の仕事になる」という思わぬ結果になってしまいました(もちろんこの時点でE氏は知りません)。
さらに、2つ目の約束である「Ho建材の社長に株を抜いてもらう」ことでも、E氏の手法が災いして、とんでもない展開になっていくのです。
事実は小説よりも奇なり。
お天道様は見ています。
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