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「流れに従って生きる」ー再独立編ーACT71:通帳いっぱい作戦

(今回は少し箸休めです)


 私が独立して経営する中で、一番最初に行ったのは、通帳を「現場通帳」と「経費通帳」に「分ける」ことでした(写真①)。

 


  写真①




お客様には、毎月「現場通帳」に、「工事進捗分の工事代金」+「会社運営経費の一部」をご入金していただきます。

 


私は、その入金されたお金のうち、その月の運営経費分30万円だけを「現場通帳」から「経費通帳」に移動します。

 



資金移動後は「経費通帳」を見ながら1か月間 経営していき・・
「現場通帳」に残ったお金は「手をつけてはダメなお金」となるわけです。業者さんへの支払いに使うので・・

 


現場が2つ重なったときは、現場通帳を2つ用意して、それぞれ独立管理する方法を取ります。

 

 

現場が2つ重なったとき


上図のように、業者さんに支払うお金は「送金通帳」に移動(青い矢印)し、会社の1か月の運営に必要なお金は「経費通帳」に移動(赤い矢印)します。

 


 現場が増えれば、単純に現場通帳が増えるという仕組みです。

 


この方法は、実は今でもやっています。


そのため木の香の家には、「現場通帳」が15冊くらいあり、そのほかに「経費通帳」「利益資本金通帳」「送金通帳」「ストック通帳」などなどに分けてあります。




「送金通帳」の役目は、各「現場通帳」から業者さんへ支払い金額をいったん移動し、送金手数料が2重にかからないように一括して各業者さんへ支払うための通帳です。




「ストック通帳」は、毎月、「源泉徴収税」「メンテ貯金」「研修費貯金」「宣伝費貯金」「労災貯金」「ボーナス貯金」などなどを貯金し、まとまったお金が必要な時に放出するためです。ストック通帳からお金を使ったら、そのために貯金していた通帳記載を鉛筆の横線で消していきます。

 


実は、かなりローテクなのです。

 


この手法をやっている本当の目的



このパソコンソフト普及の時代に、なぜローテクにしたのか?


その理由はこうでした。

 

仙台の会社でE氏のお金に対する細かさは確かに学ぶものがあったのですが・・その管理方法には改善の余地があるなぁ・・と感じていたためです。

 


E氏は1つの通帳しか作らずパソコン上で資金管理しましたが、その様子をみて感じました。

 1つの通帳で管理していたE氏は、パソコン上で「どこまで使えるお金」なのか、「どこまでが業者さんへの支払いに使うお金」なのか頭の中では把握しているつもりでした。

 


しかし・・いざ通帳を見てしまうと、一時的に「残高4千万円」という数値も見えてくるのです。

 

そういう数値を見たときのE氏は、明らかに言動がおかしくなり、精神的に重荷を背負っているのが明らかでした。

 

ほとんどが「お客様から預かっているお金」なので、4千万円の残高表示を見ても、その8割以上は消えるのです。

 

しかし、E氏は「うちには4千万円ある!!」と高声を上げることもありました。

 


この姿を見たときに私はこう思いました。 

 


「使えるお金」は「それ用の通帳」を設けて、

「預かっているお金」は必要なとき以外には見ないようにしよう・・と。

 


1つの通帳で管理するリスク


また、こうすると良い事もでてきます。



1つは、どこまでが「その現場のお金」なのか簡単に分かることです。

 

1つの通帳で管理すると、現場が増えれば増えるほどお金が混ざり合って「どの現場のお金」か分からなくなります。パソコン上では把握しているつもりでも、通帳のまとまった残高を見て瞬時に判断できないのです。



そうすると・・いつの間にか、「お客様Aから預かっているお金」を「お客様Bの現場の支払いに使っている」という現象も起きてしまう可能性もあります。

 

 


もうひとつは、通帳を分けると経理部門の作業が減り、その分の人的パワーを別の業務に回せるのです。

 



E氏にも提案していた


  
実は仙台にいたときも、この方法をE氏に提案していました。


当時の私 「そんなにお金で気が狂いそうなら、『現場通帳』と『経費通帳』に分けて『経費通帳』だけを見ていたら?

その方がパソコン上で難しい表を作って管理するより簡単じゃないの?もしかすると経理部門が要らなくなって、

人的パワーを他にまわせるんじゃない?」・・と。

 


E氏は、自分の存在価値が下げられると感じたのかもしれません・・

「おめぇには、この難しさが分かんねぇんだ!。通帳を何個も作ってどうするってや!?」と、曖昧な理由で自分の仕事の重要性や難しさを強調していました。

  


しかし、「わざわざ仕事を難しくして」、その「難しさをこなすために時間と人力を費やす」のはナンセンスではないのかなぁ...と私は思っていました。

 

 


当社は、この「いっぱい通帳作戦」のおかげで、設計、営業、現場管理の片手間に私がパソコンで経理をしています。

現場が5~6箇所重なっても大丈夫ですし、現場が20箇所重なろうとこなせます。

 

 

さすがに支払いのたびに銀行に行くのは大変なので、ネットバンキング(ファームバンキング)というハイテクは使っておりますが...(^^;)。

 


(ご興味のある小規模会社の経営者さん、参考になりそうでしたら試してみてください(^^)b) 

 




事実は小説よりも奇なり。




お天道様は見ています。

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