中東の混沌

Financial Timesに10年前のアラブの春の後の中東情勢に関する記事を読んだ。結局スンニ派とシーア派の争いというのがベースに見えるが、再度幾つかの国の対立に関して、整理されていたので以下に纏めてみた。

スンニ派とシーア派の争いは、632年のムハンマド死去後の後継者を巡る見解の相違。娘婿でいとこのアリを含む4人を最高指導者カリフとして認めたのがスンニ派、アリとその子孫(血が繋がっている)を正当な後継者とするのがシーア派。どちらもアリが後継者に入っているが、それ以外の所で血の繋がりの有無で見解が分かれてしまった様子。最高権力者が死去等で変わるタイミングというのは、やはり色々噴出するようですね。

現代の中東ではスンニ派(イスラム8割)の強国はサウジ、シーア派はイラン。イラク戦争でフセイン政権崩壊後、それまでのスンニ派ではなく、イラクで多数派を占めるシーア派が政権の要職を占めるようになったことで、争いが再び激化したもの。漁夫の利を得たイランは、イラクだけでなく、シーア派のシリアアサド政権、スンニ派のイエメンの反政府勢力(シーア派)への支援を行い、イラク・イエメン等を巡りサウジと激しく対立、2016年には断交している。また、サウジ、エジプト、中東諸国は、イランへの接近、ムスリム同胞団支援等を理由に、カタールと17年に断交。

サピエンス全史や21レッスンのハラリ氏に言わせれば、国家も宗教も貨幣も全て人間が作った虚構。なのに、ここまで血みどろの争いになってしまう不条理。何か良い処方箋はないものか。。。

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