事例1対策 強みとは?
今回は中小企業診断士試験対策です。
事例1の強みについて書いていきます。
事例1は強みの維持強化が根底のテーマです。それは常に意識してもらいたい事ですので一緒に考えてみましょう。
平成25年事例1を題材にします。
第2問設問2
A社のオペレーターの離職率は、同業他社と比べて低水準を保っている。今後、その水準を維持していくために、賃金制度以外に、どのような具体的施策を講じるべきか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。
という問題があります。
ここで質問です。
なぜA社のオペレーターの離職率は低水準でなければならないのでしょうか?
解答はA社の強みを維持できなくなるからです。
あくまで私見ですけど・・・。
事例1の強みは、①ビジネスモデルとしての強み②組織としての強みの二つであると私は認識しています。
①ビジネスモデルとしての強み
事例1は外部環境変化への対応がメインテーマになります。
輸入品などの廉価商品による価格競争、リーマンショックによる不景気など、バリエーションは様々です。それに対応してビジネスモデルを変えていき、競争優位性を築くことが求められます。
これがビジネスモデルとしての強さとなります。
②組織としての強み
事例1の場合は社長の属人的スキルは強みとならないです。逆に事例2だと個人のスキルがそのまま強みとなります。
事例1で社長のスキルが強みとなれば、組織人事事例にはならないです。社長のスキル・経験を組織内で共有することが求められます。人事施策もOJTなどの研修も社員個人の強みがそのまま組織としての強みに繋がるからです。
組織内コミュニケーションを円滑にする事で社員間の絆も深まり一体感のある組織に変革していきます。社長のワンマン会社では無いという事です。
話を戻して、先ほどの平成25年第2問設問2に戻ります。
オペレーターの離職率を低水準に維持するために具体的施策について問われました。結論から言いますと、社員が辞めるとA社の強みの維持強化が出来ないからです。組織人事がテーマである事例1の場合は、強みは組織にあります。当然組織に属する従業員が辞めると組織の力は弱くなります。
正社員論点の「あるある」事例としては、例えば新規事業を行う際に、正社員によりA社にノウハウを蓄積する事が求められる事があります。
正社員がどんどん辞める会社はノウハウが蓄積されません。なので社員を簡単に辞めさせる訳にはいかないわけです。
リストラは基本NGです。令和元年事例1でも「高齢者を対象とした人員削減は苦渋の決断」だったわけです。
事例1鉄板論点である権限委譲も組織の強みを強化するものです。社長のワンマン体制では社長個人のスキルはマックスかもしれませんが組織としてはマイナスになり得ます。A社社長が高齢であれば尚更です。
A社社長にもしもの場合もあった場合に、A社はあっという間にガタガタになります。
実は私も銀行に勤めていて、社長の急逝によってガタガタになっていった企業を結構見ています。その社長は皆高齢では無くて、急に亡くなられたわけなので、事業承継の論点とはまた違いますが・・・。
私の場合ですが、「強みを活かす」ケースとして下記のケースを想定しました。
①留意点問題
事例1でも「留意点を述べよ」という留意点問題が多くなりました。留意点とは「気を付けること」という事ですが、何を気を付けるべきか?
設問文、与件文を読んで忠実に答えれば良いのですが、気を付ける事は一杯あります。何を答えたら分からない場合の第1候補は「強みを活かす」事に留意する事です。
②今後の戦略問題
事例1と事例3は強み×機会のマッチングです。S(強み)×O(機会)のクロスSWOTと呼ばれる手法です。
環境分析問題はなぜ出題されるのでしょうか?それは今後の助言問題に活かすためです。環境分析問題で強みを分析させておいて、それを活かさない手は無いと思います。
先日お話した成功体験、失敗体験もそうです。弱みを分析させてそのままでは社長怒らないですか?
少し話が飛びましたが、事例1の強みは伝わりましたか?
事例1はあくまで組織が強みですよ。
事例2は個人レベルのスキルでもOKです。令和元年事例2でもYさんの参加イベントの雰囲気に合わせた衣装の提案・接客などはバリバリ個人のスキルです。そもそもB社2名しかいませんので、組織の力は・・・。
事例3は強みを製造面・市場面それぞれで活かすことです。
皆様も、各事例毎に強みを分析してみたら面白いかもしれないですね。