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DE&Iとナレッジマネジメントの接点

2024年、最後の投稿になります。今年もお読みいただきまして、ありがとうございました。

さて、12月16日、北陸先端科学技術大学院大学が開催したオープン・セミナーに参加してきました。
※https://lnkd.in/gyGaaRKZ

講演者は多摩大学大学院 経営情報学研究科 紺野 登教授、講演題目は「イノベーション経営時代のナレッジマネジメント再構築」でした。印象的だったキーワードを記します。

・知識とは何なのか?
・JTB:Justified True Belief
・アブダクション
・陳述記憶と手続き記憶
・行動の中に知識はある

など、普段あまり触れたことがない領域の言葉や概念もあり、十分に消化しきれていませんが、
「失敗に価値がある。だから、試行錯誤を組織文化に取り入れることが知識の蓄積を生む」
という指摘は、なるほど丸井さんが毎年”優れた失敗”を表彰する「Breakthrough Award」を開催されていることもこれで説明されると合点がいきました。
※「Breakthrough Award」についてはこちらを参照ください。 
 → https://lnkd.in/g8pfxxfJ

成功事例は数多くのチャレンジングな失敗の上に成り立っていると考えると、成功事例そのものだけでなく、そこに至ったプロセスでの様々な試行錯誤、小さな失敗まで含めてナレッジマネジメントができると「組織が持っている共有されたナレッジ」は厚みを増していくのだと考えます。
世の中で知られている事例は、多くの場合成功事例であったり、ベスト・プラクティスです。しかしながら、「行動の中に知識はある」という前提に立つと、それはナレッジの氷山の一角に過ぎず、むしろその事例に至ったすべての行動、プロセスこそが知識のネタを内包しているので、ここに焦点を当てることが組織内で共有される集合知としての厚みを増すことになる。

失敗を許容する文化、挑戦する文化を醸成する取組みは、組織の心理的安全性を高めるというDE&I観点からも語られますが、実はそこにはもう一つ大きな目的が存在し得る。

それは組織で共有される知識(集合知)を創り出すことであり、それによって組織・チームのパフォーマンスを向上させることが可能になるということなのだと思います。

DE&I推進が本当に業績向上につながるのか?

という問いもよく聞きます。DE&Iを推進することが心理的安全性を高め、そこに失敗を共有する文化が醸成されてくると、組織の集合知が高まり、その厚みはさらに増していく。

失敗は外部にはなかなか共有されないコンテンツなだけに、これこそが組織の集合知の競争力を生むのかもしれません。

このような連関を生むことができるので、やはりナレッジマネジメントの視点からもDE&I推進は重要なのだと思います。

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