フランシスのいえで
[ラッセル・ホーバン/さく リリアン・ホーバン/え まつおかきょうこ/やく 好学社]
♪ながしのしたには ふきんが あるよ バケツも たわしも わたしも いるよ ポトリン ポトリン ポトリンコン♪
あかちゃんのグローリアにミルクを飲ませているおかあさんを見ながらフランシスは台所の流しの下で歌います。このごろいろんなことが思うようにいかなくなったと感じたフランシスは家出をすることにしました。夕ごはんを食べたあとリュックサックに大事なものをつめたフランシスは食堂のテーブルの下に家出をします。
妹が産まれて自分が一番でなくなったことを敏感に感じるフランシス。どんなものかわかっているしいつ食べてもおいしいからとジャムつきパンしか食べないフランシス。妹の誕生日パーティーに心穏やかではいられないフランシス。 一人きりで眠れなかった日から妹をともだちとして認める日まで成長していくフランシスのお話です。
わがままでやんちゃなフランシスがかわいくて、見守るおとうさんおかあさんの表情が素晴らしくて、長いけれどこれはやっぱり絵本なのです。この絵がなくては、この絵でなくてはこの本は成立しません。
しかも美味しそうなものがたくさん書きこまれています。ジャムつきパンの話に出てくるランチボックスのサンドイッチやピクルスやらの美味しそうなこと! それを読むために何度も読み返したくなってしまいます。 一冊が長いので、3才以上の女の子の眠る前やお外に行けない午後の時間にゆっくり読んであげてほしいシリーズです。もちろん男の子にも。(み)