説明責任、質問責任
社長になって最初に考えたこと
2024年5月1日にユアサは社内体制の変更を発表。
社長であった湯浅悦治が会長に、専務だった私が社長に就任した。
私は社長になることを想定して、4年半前に入社したが、この4年半という時間で、会社の歴史やお取引先とのつながりについて、現会長からはしっかりと共有を受けることができたことがとてもありがたかった。(まだまだわからないことはたくさんありますが)
一方で、社長になって最初に考えたことは「どんな会社を作りたいか」ということ。会社のビジョンやバリューは昨年つくったので、そこは言語化できているのだが、どういう職場をつくりたいかということ、もう少し言葉にできないかと思った。
つくりたいのは「風通しの良い職場」
で、いろいろと考えた結果、「風通しの良い職場」をつくりたいという答えに行きついた。ものすごく普通な感じだけど(笑)
この「風通しの良い職場」をつくることにした理由は、以前ある社員と話したときに「うちの会社は社員同士が気軽に雑談できて、風通しがいい職場だと思います。」と言われたを思い出したからだった。
このとき、私が感じたのは違和感。
何が違和感なのかというと、「社員同士が気軽に雑談できる=風通しがいい」ってことなのかということ。気軽に雑談できないような会社は、確かに風通しがいいとは言えないかもしれない。でも、もうちょっと深いところでコミュニケーションできることが風通しのよさなんじゃないかと思った。
で、ネットや書籍でいろいろ調べた結果、私の中での定義は「思った意見を躊躇せずに発信できること=風通しがいい」ということにいきついた。
どうやって実現するか?
さらに調べたところによると、この風通しのよさを実現するためには、
日々のコミュニケーションで
・伝える側が伝わる伝え方をすること
・受け取る側が理解を曖昧にせず、相手に質問して確かめること
を果たす必要があるとのこと。なるほど。
これを理解したうえで自分のこれまでの行動を振り返ってみると、社員のみんなに対して「発信すること」の重要性を伝えることはしていたが、相手に質問して確かめることの重要性を伝えることはしていなかったことに気づいた。
そう、自分に足りなかったのは、メッセージを受け取る側が大事にすることを社員のみんなに伝えることだったのだ。相手の話が終わったとき、必ず自分が質問しなければならない、というルールがあったら、人はもっと集中して相手の話を聞く。これをやり続ける風土をつくることが大事なんだと思った。
どうやって社員のみんなに伝えるか
で、社員のみんなに伝えることは決まったのだが、しっかりとインパクトを持って伝える必要がある。
何かいい方法がないかと考えていたときに、ふと
説明すること→説明責任
と呼んでいることに気づいた。
ということは
質問すること→質問責任
と呼べるのではないか。
質問責任というのは、あまり聞きなれない言葉ではあるが、
メッセージを受け取る側が質問することが大事だということ
は、しっかりと伝わるいいキーワードだと思った。
こうして、風通しのよい職場は
説明責任、質問責任というコミュニケーションをする双方が責任を果たすことを継続することで実現される
という考え方できあがり、社員には「質問責任」を大事にしようというメッセージを発信できた。
これから、この質問責任が会社の文化となるには、努力も時間も必要だが、みんながお客様のために言いたいことを躊躇なく言い合える本当の「風通しのよい職場」をつくりたいと思う。