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フリーランスの準委任契約は理不尽
フリーランスとして働く上で、多くの案件は「準委任契約」で結ばれる。これは雇用契約とは異なり、業務の遂行を目的とするが、成果物の完成義務がない契約形態だ。しかし、この契約形態には多くの理不尽な点が存在する。
まず、クライアント側の都合で簡単に契約を打ち切られる点だ。企業側は「フリーランスだから柔軟な契約ができる」という都合の良い解釈をし、プロジェクトの状況が変わったり、期待した成果が出なかったりすると、あっさりと契約終了を通告してくる。しかも、契約期間がまだ残っていても、一方的な解除が許されるケースが多い。フリーランス側からすれば、突然の契約終了は収入の途絶に直結するため、大きなリスクを抱えることになる。
一方で、こちらから契約を終了しようとすると、クライアントは不満を示すことが多い。例えば、新しい案件を見つけたので契約満了とともに辞めたいと言うと、「あと数ヶ月は続けてほしい」と言われることがある。あるいは、事前に通知しているにもかかわらず、「こんなに急に辞めるのか」「引き継ぎが大変だ」と文句を言われることもある。企業側は自由にフリーランスを切れるのに、フリーランス側が辞めるときは非難されるというのは明らかに理不尽だ。
さらに、準委任契約では「成果物の納品義務がない」というのが建前だが、実際にはクライアントから暗に納品を求められることが多い。「〇〇までにこの機能を仕上げてほしい」といった要求があり、納期を守らなければ評価が下がり、最悪の場合は契約解除になることもある。成果物を納める責任がないはずなのに、事実上の納期や品質のプレッシャーをかけられるのは、実態として業務委託というよりも「非正規の社員」として扱われているようなものだ。
準委任契約が持つ本来のメリットは、フリーランスと企業の双方に柔軟性をもたらすことだったはずだ。しかし、実際には企業側に有利な形で運用されることが多く、フリーランスが一方的に不利な立場に置かれることが多い。特に、日本ではまだフリーランスという働き方が十分に整備されておらず、法的な保護も弱い。そのため、フリーランスは自分自身で交渉力を高め、理不尽な扱いを受けないように対策を講じる必要がある。
フリーランスとして働くなら、契約内容をしっかり確認し、不当な条件がないか見極めることが重要だ。また、一方的な契約解除を防ぐために、契約時に「◯ヶ月前の通知が必要」といった条項を入れることも有効だ。フリーランスの働き方が広がる中で、このような理不尽な状況が少しでも改善されることを願うばかりだ。