見出し画像

質問力の低い技術者はChatGPTを使っても低レベル

近年、ChatGPTのようなAIチャットボットが急速に普及し、仕事や学習、趣味の分野で活用されるようになっている。特に、問題解決や知識の習得においては、適切な質問を投げかけることで有益な情報を引き出せる点が注目されている。しかし、「質問力が低い人間はChatGPTを使ってもやはり質問力が低い」という現象が見られる。これはなぜなのか、そしてどのように改善できるのかについて考察する。

まず、質問力とは、相手から適切な情報を引き出すためのスキルであり、論理的思考力や情報整理能力と密接に関係している。質問力が低い人は、自分の知りたいことを明確に言語化できず、抽象的で漠然とした質問を投げかける傾向がある。例えば、「この技術について教えてください」と尋ねるのと、「PythonのDjangoフレームワークで認証機能を実装するにはどうすればよいですか?」と尋ねるのでは、得られる回答の質が大きく異なる。前者のように曖昧な質問をすると、ChatGPTも一般的な解説しか提供できず、質問者が本当に求めている情報にたどり着くのは難しい。

また、質問力の低い人は、AIの回答をうまく活用できない場合が多い。ChatGPTが提供する情報は基本的に広範であり、その中から有益な部分を抽出し、自分の目的に合わせて活用する能力が求められる。しかし、質問者自身が情報の取捨選択をうまくできなければ、せっかくの回答も意味を成さない。例えば、「機械学習の基礎を学びたい」と尋ねた場合、ChatGPTはさまざまな教材や学習方法を提示するが、それをどのように組み合わせて学ぶかは質問者の判断に委ねられる。

では、質問力が低い人はどのように改善できるのか。その第一歩は、「具体的に何を知りたいのか」を意識することだ。例えば、「ある技術について知りたい」と思ったとき、「どのレベルの知識が必要か」「どのような課題を解決したいのか」「どの分野で使いたいのか」を明確にすることで、質問の精度が向上する。

次に、「仮説を立てる」ことも有効だ。質問をする前に、自分なりの予測や仮説を立て、それを検証する形で質問を投げかけると、より深い回答が得られやすい。例えば、「このエラーの原因はデータのフォーマットに問題があるのでは?」と仮説を立てた上で、「データのフォーマットが原因でエラーが発生する可能性はありますか?」と尋ねれば、ChatGPTの回答も具体的なものになりやすい。

結局のところ、ChatGPTはあくまで補助ツールであり、質問者の思考力や情報整理能力を代替するものではない。質問力の向上には、自らの思考を整理し、意図を明確にする努力が不可欠である。そうすることで、AIの回答の質を最大限に引き出し、より有益な情報を得ることができるだろう。

作注:ここでは便宜上ChatGPTと書きましたが、もちろん他の生成AIにも同じことが言えます。

いいなと思ったら応援しよう!