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引っ越し屋のバイトをしたら1日目で殴られまくった話

学生時代も終わる頃、引っ越し屋の短期バイトに応募し、初出勤の日を迎えた。体力には自信がある方ではなかったが、やる気だけは持っていた。朝早く集合場所に行くと、すでに先輩たちが作業の準備をしていた。挨拶をしたものの、無視されるか冷たい目で見られるだけだった。「新人なんてこんなものだ」と自分に言い聞かせ、仕事に取り掛かった。

しかし、最初の作業が始まると状況は急変した。家具を運ぶ際、重さのバランスを崩して少し手間取ると、先輩の一人が「何やってんだ!」と怒鳴りながら私の肩を強く叩いてきた。それだけでなく、その後も些細なミスをするたびに叩かれたり、蹴られたりした。「引っ越しの仕事は厳しい」と聞いていたが、これほど暴力的だとは思わなかった。

普通にヤンキー漫画でしかありえないような殴られ方もした。ワンパンで頬を殴られる。数回受けて、顔面が腫れて、口の中を切って、血の味がした。それから「このバイト全然ダメだな」と言われた。何がダメなのか、仕事ぶりなのか喧嘩の強さなのか。

その後も「このクソデブが、腹に何抱えてやがんだ」と笑われながら腹を殴られたり、引っ越しとは全く関係ない暴力まで受けた。

さらに、暴力だけでは終わらなかった。休憩中に先輩が私に向かって言った言葉が、今でも頭から離れない。「お前みたいなのが社会に出るから迷惑なんだよ。さっさと辞めて家に引きこもってろ。」その場にいた他のスタッフも笑いながら同意するような態度をとった。人権を踏みにじる言葉に唖然としながらも、ただ黙ることしかできなかった。言い返せばさらに酷い目に遭うのは明らかだったからだ。

その日、仕事が終わる頃には、身体だけでなく心もボロボロだった。帰り道、一緒に働いていた別の新人に「ここ、いつもああなのか?」と聞いてみた。その新人も同じような扱いを受けており、「俺も辞めようと思ってる」と言っていた。

結局、私はその日のうちに辞める決意をした。二度とこんな場所で働きたくないと思った。暴力と暴言が当たり前の職場があることに驚いたし、それを受け入れている環境そのものに恐怖を感じた。引っ越し屋の仕事自体は立派な職業だと思うが、あの職場に限って言えば、ただの地獄だった。

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