定期投薬は済みましたか-4月の魚病対策-
4月に入りましたが、池の定期投薬は済みましたでしょうか。水温が12℃になるようでしたらまずメチレンブルー(20トンに10グラム)を投入してください。その後水温が常時12℃を保つようになってきましたら、マゾテン(20トンに1本)の投与を2週間の間隔で行ってください。いずれの場合も、投薬前日と投薬後2日間は餌止が必要です。
これら薬剤の同時投入は行わないでください。必ず1週間以上の間隔を置いていただきたいと思います。特にメチレンブルーと過マンガン酸カリの同時投入は禁忌です。薬品の作用が相乗的に働き、鯉障害等の副作用を来します。
薬品の副作用については後日述べる予定ですが、鯉に与える負担をできるだけ最小限にしたいという考え方から、できるだけ池の他の条件は変えないようにしたいものです。
従って、各々の愛好家の池の条件、特に池の水の量に対する注入水の量が最も薬品の投与量に影響しますので、それを計算して投入する必要があるわけです。筆者の池は20トンで、新水の注入量は3〜6トン(1日)の間で調整しています。
メチレンブルー、そしてマゾテンの投与が一段落しましたら、過マンガン酸カリ(20トンに25グラム)の投与を1回行ってください。これらの定期投薬は水温が15℃になる頃までに済ませておくとよいと思います。
以上によって、だいたい春先の定期投薬は終わり、この時期の発生しやすい疾患はもとより、夏に向かって好発する疾患の予防に大いに効果を示すことになります。前回の図2を参考にしながら、今どんな疾患が発生するのか考えながら投薬することによってさらに身についた予防法、治療法となっていきます。
薬品の投与はできるだけ夕方に行ってください。太陽光線による薬品の変化を防ぎ、鯉の安定した状態での投薬となります。そしてその次の日は早めに起きて愛鯉の状態を観察するようにしたいものです。
※画像はイメージです。