餌について-8月の魚病対策-
さて、8月は鯉も元気に餌をどんどんほしがりますし、私達も秋には大きく太らせて品評会に出してみようなどと夢見ながら餌を与えます。
生餌や濃厚餌料、あるいは飼料を与えて成功している愛好家もおられますが、栄養のバランスの問題、水管理や、時間的な制約の問題など、いろいろな点で本当に大変な作業で、こうしたことの可能な方や、高度飼育者の場合はよいでしょうが、一般的平均的愛好家には余り勧められません。市販されている飼料も最近は大変良く、これを数種混ぜて投餌するのも結果が良いようです。
そして、その合間に生餌やさなぎを様子をみながら与えるといったほうが安全であると思います。しかし、市販されている飼料を使う場合も次の点に注意しなければなりません。まず、できるだけ新しい餌を使用することで、1年以上経過し古い餌は惜しいと思っても捨てたほうが無難です。
また、餌の色やツヤ、臭い、そしてカビが付着していないかなどを観察し、悪くなったのは捨てましょう。自分で噛んでみて味をみるのも良い方法です。変質していない餌は結構うまいものです。
餌は製造されて数か月もしますと変化してきます。脂肪の酸化も生じ悪影響を及ぼすことはご存知の通りです。餌の変質による障害や、消化不良によって腸炎が誘発され、糞の異常(寒天状の連続糞が浮遊)が生じ、肛門部の充血もみられます。
こうして肝臓や腎臓への負担、腸管機能低下を来し、不可避的なものへ進行すると大変なことになります。前記した眼球の突出現象や、立鱗症状などの問題も含めて、投餌の問題は注意を要する魚病対策の一つということができます。
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