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水草と水質変化について②-4月の魚病対策-

このときの注意が大切なので、水面下の根が同じように枯れて腐敗し、汚物となっていく前兆であることを知らねばなりません。そして全部取り除き、秋から冬、そして春にかけて繁殖する水草に植え替えをするのです。

筆者の場合はクレソンを利用します。クレソンは夏はあまりよくありませんが、秋から冬、そして春にかけて生育が強く、青々と伸び、根も密に深く張り、水の浄化に大きな役割を果たしてくれます。ホテイ草や野あやめに替わっての効果は補って余りあるものです。

余談ですが、クレソンはご存じのようにセリ科の植物で、ビタミンAを豊富に含み、そのほろ苦い香りと味は食卓を楽しいものにしてくれます。ビタミンAの生理作用には、皮膚面膜の上皮粘膜の上皮細胞の機能保全、正常な成長、骨質の生成があり、欠乏すると、いわゆる夜盲症、眼球乾燥症、皮膚炎に罹患しやすくなります。縁日で買ってきた筆者宅のアヒルの片側の白濁が、クレソンを与えたら数週間で治癒してしまった経験があります。

クレソンは夏には枯れてしまいますので除去し、ホテイ草や野あやめがこれに取って替わり、ふたたび交代します。筆者のこれらの水草の植え替えを図1に示しました。

このように水草の四季の返還を承知し、こまやかな管理の下に正しく利用することによってより良い水造りが可能となってきます。

そして、加うるに忘れてならないのは、植物性プランクトン―アオコの存在です。水温が高くなり、池の中の有機物が多くなると、アオコが繁殖し、池の鯉が見えなくなるため、これは愛好家にはあまり好まれません。

しかし、アオコは水中の溶存酸素の産生に大きな役割を果たしており、適当にアオコの繁殖した池水は益こそあれ害はありません。ただし、鯉が見えにくいため鑑賞上問題があることと、鯉の観察が十分にできない点の外に、異常に繁殖した場合、これを食う動物性プランクトンの発生のための酸素が低下し、呼吸困難による斃死を来たすことがあります。

特に雨の降った後、アオコが死んで池の底へ沈み、更に雨が続くと底水が上へ押し上げられ、池全体が大変悪い環境となります。一見水が澄んで綺麗に見えますが、この時が一番危険な時であるので、こういった状態にならないように日常心掛ける必要があるわけです。

以上のような水草やプランクトン等の生態を考えますと、友人の体験したこと―ホテイ草によって鯉が死んでいったかを理解できるのではないかと思うのです。

※画像はイメージです。

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