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定期投薬も忘れずに-10月の魚病対策-

マゾテンの定期投与はいつものように月1回行いますが、しばしばこの定期投与の中間にイカリ虫の発生を見ることがあります。

たいてい定期投与が済んで2〜3週間後で、鱗や鰓の充血、立鱗あるいはイカリ虫そのものを見ますが、このときはすぐにマゾテン投与を行ってください。数日で虫っ気がなくなります。

この投与によって、結局定期投与を入れますと2〜3週間間隔で3回の投与を行う計算になるわけです。

薬の投与は、必要上最小限に効率よく投与するのが理想であることは言うまでもありません。現実には魚病の発見や、薬剤投与のタイミングなどが遅れがちになることが多く、一度罹患すると計画性なくむやみやたらと薬を使用して失敗することが少なくありません。

そうしたことをなくす意味でも、これまでの経験から3月号に述べた薬剤の定期投与法を基盤として自分なりに肉付けすることにより、より効率のよい自信の持てる魚病の予防、治療を行えるものと考えます。

秋は図1からわかりますように、寄生虫や細菌の鯉待機になってきますので、10月には一度過マンガン酸カリ、あるいはメチレンブルーで池全体の消毒をしておきましょう。投与量は表1に示します。

魚類の場合は水という特別な環境―つまり寄生虫や細菌が常に魚体を侵襲しようとしている条件下で生きていますので、水の管理をキチンとすることによって、マイナス因子を増長させないようにしなければいけません。1月号のグラフの意味を理解していただきたいと思います。

ホルマリンの効果は図1からもわかりますように、その効果範囲は広く、昔から使用されておりますので、一応表1に記載いたしましたが、ホルマリンやマラカイトグリーンはこれまでも何度も述べてきましたように、その使い方が難しく、問題点も多いため余り頻繁に使用するものではありません。

公害、薬害がうるさく言われている今日、賢明なる読者の方々には良識ある治療法を自ら選択していただきたいと存じます。

薬の使い方、病気の治療法は、いろいろな人が色々の考え方を述べているわけですが、鯉の大きさの違い、鯉に対する考え方の違いなどがあって、一概にこうでなければならないと決め付けられない面もございます。

根本となるところには大きな相違はございませんが、微妙なところは、いろいろな知識を基礎として自分で実際に体験して、自分の池に合った投与法、治療法を身につけるようにすべきものと思います。

水草の除去と植え替えを

さて、寄生虫や細菌の交代期のみならず、水草の交換機ですので、ホテイ草やアヤメ等を利用している方は、葉の先が黄色になってきましたら要注意となります。

4月号で述べましたように、クレソン等と植え替えるとよいでしょう。水草の効果は大きいのですが、逆にこれをおろそかにすると害も大きいものになりますのでご注意ください。

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