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【第三回】ノジマのマーケティングトレース

私のnoteを見て下さりありがとうございます!
中小企業診断士の勉強中のイズケンと申します。

こちらのnoteでは、自身の勉強と中小企業診断士二次試験勉強からの逃避も兼ねて(笑)、マーケッターの黒澤友貴さんが推進する「マーケティングトレース」を書いております。

今回は電車で移動中たまたま広告を目にした、家電量販店のノジマについて書いてみたいと思います。

■企業基本情報

■会社名 株式会社ノジマ
■業界 家電量販店
■代表取締役 野島廣司
■ビジョン・理念
デジタルGS4(Goods・Soft・Support・Service・Solution)を提供・普及させ、 地域、さらには日本の発展に貢献
■売上金額 523,327百万円
■社員数 連結 10,317名(2022年3月末時点)

参考までに日本の家電量販店市場の動向はこちら。

業界動向サーチ.comより

2020年、コロナ禍による「巣ごもり需要」で成長しておりますが、21年には落ち着き成長率は1.1%マイナス程度が見込まれている様です。

家電量販店の売上高ランキングは下記の通り。

業界動向サーチ.comより

今回の調査対象「ノジマ」は業界6位。

ただし他社が低迷・横ばいの中、ノジマは成長傾向を見せる数少ない企業となっています。

ノジマ決算説明会資料より

カンブリア宮殿に取り上げられたり、積極的なM&A戦略で、ビジネスに関心の高い層にも注目されている企業さんですね。

一体どんな取り組みを行い売り上げを伸ばし、どんな課題を抱えているのでしょうか!?

早速分析を開始していきましょう!

■PEST分析

まずは業界を取り巻く外部要因を確認するためにPEST分析を行ってみます。

政治(Politics)

2021年デジタル庁発足。国・地方のIT化やDXの推進を目的とする

経済(Economy)

ネット通販の拡大による家電量販店でのパイの減少。市場の成熟化により大きな伸長が見込めない状況。

社会(Society)

少子高齢化の進行。2021年出生数は81万人と調査開始以来最小数。一方死亡数は144万人となっており人口減も大きな問題。

技術(Technology)

5Gの普及。より多くの人に高速大容量通信が可能に。

これらを見て行きますと、人口減とネット通販の拡大で今後家電量販店の市場は縮小していくのは間違いないでしょう。

では、ノジマはそちらに備えどの様な取り組みを行ってるのでしょうか。
早く知りたいところですが、その前にもう一つ「5フォース分析」を行っていきます。

■5フォース分析

売り手の交渉力

売り手は家電メーカーを想定。ソニー、パナソニックなど自社のECサイトも運用しユーザー直販も行っており、交渉力は高くなっていると思われます。

買い手の交渉力

買い手はエンドユーザーを想定。家電量販店は他にも多数あり、更にECと言う選択肢もあるため、買い手の交渉力も高いと見込まれます。

新規参入の脅威

「家電量販店」と考えると新規参入は相当に厳しく、あまり脅威としては考えられないのではないかと思います。

直接競合の脅威

ヤマダは大塚家具吸収合併・ヒノキヤグループ完全子会社化など住宅事業の強化、ヨドバシ・ビックカメラは自社ECサイトで成功、等各社新たな取り組みを行っており、非常に大きい脅威と考えられます。

代替品の脅威

かつての家電量販店だけでなく、アマゾン・楽天と言ったECでの購入も可能になっており、大きな脅威と考えられます。

分析をしてみて・・・。

2つの分析を行い、業界全体は縮小傾向、ECの脅威もあり非常に競争の厳しい業界と言えそうです。

そんな中でも、ノジマは自社のビジネスの中核を「デジタル」家電製品の販売と銘打っていたり、2017年にniftyを子会社化してプロバイダ事業にも進出する等、「デジタル」に注力していることが伺えます。

その他にも色々な取り組みがあるはずですので、他の分析も進めて行きましょう!

■4P分析

商品(Product)

デジタル家電を軸に家電全般。携帯キャリアの販売、ISP、ウェブサービス、AXNによる衛星放送サービス

価格(Price)

競合に比べて特に安いというわけではない。

流通(Place)

関東甲信越+中部地方で275店舗。エディオン1,171、ヤマダ983、ケーズ540と比べると少ない。ただし東京、神奈川、山梨では店舗数トップ。大型ショッピングセンターやスーパーなどにテナントとして出店するケースが多いのが、都心部での店舗数が多い要因か。

広告(Promotion)

フィギュアスケートの鍵山優真選手をアンバサダーに起用。TVCMや電車内広告等を行っている。

「ノジマオンライン」を通してのECも展開。ただし家電量販店ECランキングの5位には入っておらず、競合他社には水をあけられている印象です。

子会社ニフティによるセシール事業の買収は、シニア女性層を中心に全国規模で顧客を抱えているセシールのこれまで蓄積してきたノウハウを生かし、EC領域の強化を推進するための買収だったとのこと。現在こちらの事業は再編中とのことですので、今後の動向に注目したい所です。

つづけて3C分析を行います。

■3C分析

会社(Company)

メーカーの販売員を置かず、中立な立場でユーザーに寄り添った「コンサルティングセールス」が売り。

2022年には「省エネコンサルタント」資格も導入し、節約志向のユーザーのニーズにも応えられそうです。

また、一時期80歳までを定年とし、さらにそれを撤廃する等の取り組みや、コロナ禍での航空会社からの出向を受け入れるなど、時代にあった取り組みも多数おこなっている様です。

顧客(Customer)

上記の取り組みを見ると、ECではなく「来店して購入したい」ユーザーをターゲットにして社内体制を整えている印象を持ちます。

競合(Competitor)

住宅事業を強化するヤマダや、ECで大成功したヨドバシカメラ、DX宣言を出したビックカメラ等の競合の動きも目立ち予断を許さない状況です。

まず、メーカー販売員を置かないユーザー目線の「コンサルティングセールス」は、とても魅力的なサービスと感じます。

高齢者の方や店員さんとの話すのが好きな人(私もそうです!)や、家電は現物を見て買いたい、と言う層には相当に響くはず。
私自身ノジマは全く行く機会が無かったのですが、ちょうど最寄りの蒲田駅に出店されたそうなのですぐにも行ってみたいと思いました!(笑)

ただし、残念ながら、こちらの取り組みはまだまだ広く知られているとは言えない状況だと思います。

前述の通り「カンブリア宮殿」に取り上げられる等して、ビジネスニュースへの感度の高いユーザーには知られてきていると思いますが、一般層にはまだまだ認知度が足りないかなと感じます。

加えると、意外ではありますが、Twitter等見てみると「メーカー販売員」の存在について理解していないユーザーも結構います。

そういう方に、まずは、家電量販店のスタッフ配置の実態の説明した上で、自社スタッフだとどんなメリットがあるのかを、順序立てて説明して腑落ちさせられる様なプロモーション施策があるとなお良いのではないかと思います。

■最後に

今回も個人的に非常に楽しめたトレース作業となりました。

最後に野島社長の「挑戦する会社を作ろう」と言う動画を。

先述のシニア社員登用だけでなく、若手の役員起用も多数行っており、様々なことに「挑戦」する企業文化が伝わってきて、応援したくなりました!

まずは、近くに出来た店舗にお邪魔して「感動接客」を味わってきたいと思います(笑)

今回も結構なボリュームとなりました。
最後まで見て頂き、本当にありがとうございました!

良かったら1回目、2回目のマーケティングトレースも見てみてくださいね。

それでは~!

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