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[詩] いきいきと廃墟で
実は白かった空気
灰色と黒の混ざった舗装道路が
雨で濡れていく時
黒くなっていく様子が
影となって薄く壁に映っている
動いている
向こうに行こうと誘っているように
やたら柱にもたれかかるわたしが
上半身しかないのは
白い光に切断されたのかな?
図鑑に整然とカラーで並んでいる虫
あれは死んでいて
バラバラになりばらまかれている私
私は生きている
どこも廃墟だからいきいきできる
断片なら飛べる
歩行者のために引かれた
白線は擦り切れていて
お話を語ることを嫌がって
途中で途切れる
二人で映っている影
死んでは生まれる
そこかしこでゼロ
そこかしこでゼロ
そこかしこでゼロ
やりなおせはしない
わたしの目玉が見ていた
私は見ていなかった
窓が開きそこから誰かが見ていた
森でオラウータンも見ていた
コーヒーは渦巻きながら見ていた
ケーキは焼かれながら見ていた
山も見ていた
電柱も見ていた
雑草はいわずもがな
無数の目玉が視線を放つ
内側の視線を消すために
交わって
死んでは生まれる
向こうに行く
ラララララ
止まったところで笑う
なんかついてきた
やっぱり笑ってた
笑えばいいと思うよ