[詩] ルルルルル
ゴーストが今夜やってくる
何回もとなえたら
本当にそうなる
なる。なる?
なるはころがる
ガルがほえる
エルがかわる
「いい!」
「えぇほんとうに」
ゴーストが今夜やってくる
まるまる やってくる
まるまってもやってくる
カエルが曲がり角にいる
ツノだけだしてる
待っている
カエルが待っている
曲がり角とツノは
すっかり削除される
カエルは待っている
「なにを?」
ルルルルル
あのツノに
ぶら下げられる
言葉? そうコトバ。
カエルは熱を発している
湯気が立ってる
湯気は立たない
漂っている
湯気 盗まれる
ゆげ 採られる
ユゲ 飛ばされる
冬なのにソフトクリームに
ミックスされる
る が途切れた
冬なのに半袖の小学生が食べて
そのことはカエルしか知らない
「待っていればわかるのにね」って
言っている
ルルルルル
また呼ばれる
ルがよばれる るでもある
ゴーストが今夜やってくる
間違ったなら再度訪れる
ゴーストが今夜やってくる
再来は夜露に似てる
ゴーストが今夜やってくる
まちがいを切断する
猫がフーッとする
空気がスライスされる
降るの?
ルルルルルする
なにを呼んだの
あの る
「ゴーストはどうしたの」
もうやってきてる
雪が降ってる
カエルがいなくなって る
ミドリの影が残って る
手触りは今消え る
「そういったんだね」
膜が震え る
向こうを見て る
震え る 震え る
ルルルルル
立って る?
窓辺に
カエルの形に切り取られた
空間は
ルルルルル