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紹介を兼ねたフィクション

 いつも、朝8時30分が猫への餌やりの時間。缶から半分だけ皿に移し、夕飯用にラップをかけて、輪ゴムで二重にとめ る。そんないつものルーティーンをそつなくこなしていた時だ、自分の声を キャッチした。

 こっちの輪ゴムのほうが可愛いかも

 猫はキッチンの収納をカリカリ、カリカリ。額を僕の足に スリスリスリリ。 

 なにかを、察した。それから、頭の中にイメージが走る。小6のころ、ボーイスカウトの出し物のときに女装して、監督役の大学生の困ったような怪訝な顔。その頃まで、きのこのお家というもので、男友達と二人でおままごとめいたことをすることが好きだったこと、など。そんなことが頭の中をよぎっているが、カリカリと家では呼んでいる乾燥固形猫用フードを決まった量缶詰フードにふりかけることには、余念がない。猫は身体に突き上げてくる食べたいという衝動に耐えられないのか、その場から離脱して他の部屋に行き、思い出したように急いでキッチンに戻ってきて収納を爪を研ぐようにカリカリカリカリ。

 もうご飯だよ、よかったね。返事なしガブガブガブガブ。

 テレビを消してる午後2時、車の音と冷蔵庫のブーン左耳の耳鳴りとのマリアージュ。それに、k子のフランス語の発音の練習のアンビエントミックスを静かに聞いている。ある日小さな音量で、ノイズ・ミュージックを聞いていた時、理由はわからないがストップボタンが押されていて、曲が止まっていたのにも関わらず、いい曲だなぁと大声で独り言を言ってしまっていたときからの習慣である。外の工事中の音、換気扇の音、冷蔵庫のブーン音のマリアージュを音楽だと楽しんでいたのであった。

 唐突に、レディースのファッションサイトをかなりの頻度で無意識に閲覧することを思い出し、コンビニに行ってレディースのファッション誌を、何の研究だかわからんが、研究のためと称して買い込んできて眺めてみた。

 猫がゴロゴロしている。気がそれたのがわかるのだろうか、私を見てアピール。見てるよ、見てるよと何度も話しかける。触ると怒るので視線でなでる。喜んでいることにした。

 その名前を聴くたびに、ユーチューブにいってその名前を連呼する曲でシングアロングしてしまうブランドのラム皮のアメリカンな黒のライダースに、どうしてもなんかおしゃれな気がしてしまう、アルファベット三文字のブランドの紺に白い花柄のワンピース、白い二重折り部分がレースになっている、くるぶしぐらいまでの靴下、ストラップになっている、黒いローヒールの革靴、たしかに可愛い。

 猫にしきりに呼びかけられる。何を訴えているのかいろいろ試してみる。 
 ブランドではなくメゾンと書くべきではないかと少し悩む。

 そっと地方都市に住んでいる自分にそれらを着せてみて、頭の中で駅前に立たせてみる。

 まずは、グーグル検索に、EUREKA Jim O'Rourke と打ち込んで検索。
次に適当な通販サイトにアクセス。そこに現れたCDジャケのおじさんの身長を178センチにして、体重を57キロぐらいにしたら僕。オーバー50。忘れていました、禿げてはいますけど頭頂部あたりが、ハゲている感じに増毛していただけたら、ありがたいです。

 今、スコーンをつくろうと、薄力粉とバターを念入りに指で擦り合わせています。パン粉状になるまでしっかりとこすり合わせることが大切です。自分の昼飯は自分で作れです。

 スコーンが焼き上がったら詩を書きます。他の文章も書くかもしれません。

 楽しんでいただけたら嬉しいです。

(イラスト題名 ピータードイグの一部に成りたかったゴースト、しかし…)

#詩 #現代詩  

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