[詩] 雑に軽い
わからない
歩く
真ん中
そう、真ん中の
「目をつぶった時、まぶたの裏が
何かに似ているんだけど、思い出せない。」
無意識に手探りをする
なんか触る
たぶんボタン
押してみる
その前に
手探りをしている
指の動きを
じっと見る
「机の上にばらまかれたコイン
指で1枚1枚
移動させている。」
忘れない
目はつぶっている
また眠くなって
落ちる
たしかに
あいだがある
そのあいだが
夢の中で喋る
背景は覚えてない
「今日、自転車に乗っていたら
急に紫が視界に入ってきて、
なぜだかすごく驚いた。」
目が覚める
「水路の橋の下に住んでいる鷺」の姿を
しばらくの間お楽しみ下さい。
ぼくの目はスゴク冷たい
手のひらで目を覆う
冷たさに手が驚いて
ビヨーンって跳ね返る
「ここまでを果てしなく繰り返す。」
ブラインドから覗く顔が
細かい粒子となり
舞っている
吹きつける
葉っぱは揺れない
歪んでいる
「なにが?」
「なにもかもが。」
遠くから見たら
ぼんやりして
近くで見たら
ぺらぺらで
一瞬の風で舞い上がり
走って追いかける
後ろ姿を見送る