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【詩】道路沿いの環境

パン屋の隣にある店のテント看板を見上げてみると「OTTO」とあり、両脇の「O」の下には「||||」とヒゲのようなものがついていた。その店とはタコ焼き屋であり、だとすれば「||||」は足のようなものだろう。タコの足なら吸盤がついているので、客を吸い寄せるのだろう。雨であれば「T」の「|」の部分と合わさって、雨宿りに思わず店舗用軒先看板の下に客を吸い寄せる願いも込められているだろう。タコの足8本+縦線2本=10、ならば「||||||||||」は雨ということになるのだろう。今「||||||||||」はまったく降っていない。

「かの童まだ遠凧につながれる」 林 翔 
「親戚でもなければフライでもないし
 ホラー味があるし
 無生物や動物や植物や食べ物も
 空を飛べる」 林 ケンジ
「コラトゥーラ」 イタリア産魚醤
「無残に投げ捨てられているのは」ビニール傘

本当は「I」フォントの太さがタコの足には適当なのだが「ー」が上下についていてしかたなく、細身の「|」をタイプするしかない。痩せすぎは栄養不良を連想させるので、本当は食べ物屋にはふさわしくないが、「OTTO(おっと)」と言って、O客はよけてくれるに違いないのだから、素早く先頭にちいさな「う」を付け加えてさえずれば(今はポストだとしても)、魚でもあるのだから、TEPPAN焼にも拡張できる可能性、やっぱり客を吸い寄せてしまうのだろう。

お手軽サンドを買って帰った
泣き顔にも見える(泣)

#詩 #現代詩

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