[詩] 「カタカナの呪文」
目が覚めたが二度寝してまた目が覚めた
夜中のバス停というドイツ語を指でなぞる。30回めに人差し指が語尾に刺さったまま戻ってこない。人差し指は妙に強情なところがある。指輪をプレゼントしてもらったみたいに手のひらを眺める。ない指の隙間から向こうが見える。ミロの瓶が見えた。立ち上がり、ちょうど指の太さになるまで離れた。かなり指が短くなった。
横に何度も黒のサインペンでギザギザを書いた後、たてにも同じことをしてから、斜めに鋭い線を数本書き足してゆっくりと回転している。それが窓枠から