IVRyがNPS+14%を記録!NPS調査の全容を公開します!
こんにちは。
株式会社IVRyでカスタマーサクセスの立ち上げに奔走している山田です。8月1日にIVRyに入社してから1ヶ月半ほど経過しました。
入社直後の8月初旬にNPS調査を行ったところ、日本のBtoB SaaSにおける平均「-18.9%」(出典:https://fullstar.cloudcircus.jp/media/column/nps-saas)を大きく上回り、IVRyのNPSが「+14%」という高い評価をいただくことができました!
本ノートでは、NPS調査の背景や目的、調査方法、今後の活動ついて共有します。
NPS調査について実績に触れつつ具体的に解説している記事が意外と存在しないため、IVRyらしく透明性高く開示することで価値ある情報をお届けしたいと思っています。
IVRyのご紹介
IVRyは電話応対を自動化できるSaaSです。
かかってきた電話をあらかじめ設定した自動音声でさばき、用件に応じて番号をプッシュしてもらう事で人が対応すべき電話のみ担当者へ繋ぐことができるプロダクトです。
人が出なくても対応できる電話は、音声案内、SMS送信、音声録音、AIによる対応等で自動化/非同期化することで生産性の改善を実現します。
NPS調査について
背景と目的
入社エントリで記載した通り、IVRyは累計アカウント発行数が8,000を超えるにも関わらず、カスタマーサクセスおよびカスタマーサポート(以降、CS)の専任担当がいませんでした。(本当に意味がわからないw)
一方でプロダクト利用状況の可視化は進んでいて、ヘルススコアこそないものの、顧客のプロダクト活用レベルをデータで捉えることは可能です。
そんな状況下で僕がCSの立ち上げを行うにあたり最も気になったのが、「顧客はIVRyに対してどういう感情を抱いているんだろう?」という点でした。
実はIVRyではこれまで本格的な調査として顧客ロイヤリティに類する調査を行なってきていませんでした。そのため僕が抱いた疑問に対して鮮度高く定量的に示せる解は手元にないという状況でした。
そもそもCS組織の立ち上げにあたってまずやるべきは顧客解像度を徹底的に高めることだと考えています。データによる顧客全体像の把握と、顧客ごとの活用データや定性的なVoCの行き来による徹底的な顧客理解です。(立ち上げだからとか関係なく結局ずっとやり続けるんですが)
顧客理解なしで戦略の策定は不可能ですし、戦術レベルでもCSがタッチすべきタイミングや提供すべき情報、必要リソースについての仮説も立ちません。
このような背景から、顧客理解の促進、ひいてはCSとしての戦略を策定することを目的としてNPS調査を行うこととしました。
調査期間と実施方法
実施期間は8/9~8/25までの約2週間です。アンケートのスタートまでは僕が入社してからわずか1週間で、IVRyのスピード感が良く伝わると思います。
アンケートの実施方法としてはKARTEを用い、ユーザーがプロダクトを開いた際にアンケート表示する導線を仕込みました。
プロダクト上でのアンケート回収を選択した理由としては、IVRyのDAU(Daily Active User)が30%前後と非常に高い点が挙げられます。アンケート回答の数を担保しなければ結果の精度が上がらないと考えていたことから、僅かではあるものの顧客体験の毀損も覚悟の上で選択しています。
プロダクトの初期設定の難易度等を考慮した結果、アンケートの表示条件はプロダクトに10回以上ログインしたユーザーに限定し、アンケートの閉じるボタンを3回押したユーザーにはそれ以降アンケートを表示させないルールとしました。
アンケート内容は定量的なNPS回答に加え、任意の定性コメントができるという非常にシンプルなものです。
NPSアンケートの回収目標数については、一般的に信憑性が認められるとされる200件以上を最低ラインとし、目指すべきはIVRyの有料アカウント数に対して10%と設定しました。
最低目標に達しない場合はNPS調査の結果がかえってノイズとなる可能性もあるため、結果は公表せずにまずはNPSの回答を行なってもらえるだけの顧客基盤を築くところからスタートする必要があると考えていました。
余談ですが、KARTEを用いる事で今回の企画から実装まではものの数時間で完了しました。直感的でありながら細かな条件指定まで可能となっていて、とても便利なプロダクトです。
調査結果
冒頭でもお伝えした通り、NPSの調査結果は「+14%」という非常に高い水準を叩き出しました!
日本のSaaS企業の中ではかなり良い数字で、かつCSの専任が存在しない状態でこの結果というのは驚異的であるとも考えています。
アンケート回答数についても200件を大きく上回り、狙い通りにアカウント数の10%超まで回収することができました。
これだけ分かりやすくユーザーに価値が届いているのはとても誇らしいことだと感じています。
そして開発陣をはじめ、IVRyの全メンバーが根拠ある自信を持って顧客に向き合えるデータが得られた事は、それだけでも良い効果があったと考えています。
以下はいただいた定性コメントの一例です。
ここまで読むと「CSやることないじゃん!」と思う方もいるかもしれないですが、あくまでマクロ的に見た地盤の硬さは伺えたものの、当然ながら批判者に分類されるユーザーもまだまだ多いうえ、定性コメントからも多くの課題が存在することが分かっています。
マイナスをプラスに引き上げる役割ではなく、プラスをより高い数値に引き上げていく役割は難しさもありつつやりがいや意義も大きいです。同時に数値を下げられないプレッシャーもあります。
調査後のアクション
すぐにやったこと
回答の締め切りを待たず、回答を検知したタイミングで順次以下のようなユーザーに対してアプローチを実施しています。
不満の大きなユーザーほどアプローチをしても接点が持てないケースも多かったのは事実ですが、将来的なchurnリスクユーザーの把握や早期フォローが出来たことは、CSの人員が少ないなりに非常に効率的なサクセス活動ができたのではと感じています。
今後のアクション
NPS調査の結果を踏まえて今後やりたいことをざっと洗い出してみました。
まずはNPSの傾向をセグメントごとの偏り等が見られないか分析してみようと考えています。
加えてどういったニーズで流入し、どういった活用方法が実現できているとNPSが高いのかといったファクトとの相関性が分かると、顧客のサクセス状態も精度高く定義できるものと考えています。
回答の網羅性が担保できていないもののヘルススコアへの活用も模索していて、少なくとも推奨者に関しては加点、批判者は減点といった簡易的な組み込みができるのではないかと考えています。
そして当然ですが最も重要なのは今後NPSがどう変化していくかだと思っています。
これからのIVRyの事業成長スピードを考えると、顧客数が急激に伸びていくことや多くの新機能追加によるプロダクトの複雑化、複数の新規プロダクトのリリース等によって、CSなしではNPSは自然減の傾向を辿るものと考えています。
事業規模だけでなくIVRyが提供している顧客価値が飛躍的に成長している事を胸を張って共有できるよう、次回以降のNPS調査を一つのマイルストーンとしてカスタマーサクセス組織の立ち上げも加速させていきます!
乞うご期待!
さいごに
IVRyのカスタマーサクセスでは絶賛採用強化中です!
今回のような調査に限らず、様々な施策を素早く仮設検証していくことが可能です。
顧客理解に重きを置きながら、自由で本質的な発想のもと仕事を定義していくことができる環境を求めている方、ぜひ一度気軽にお話ししましょう!