(詩)歌

転ばぬ先の歌より
歌いたいのは
転んでしまった
見知らぬきみを支え
少しだけ立つのを助ける歌

そんなことをいいながら
いまだ立つことすら
ままならないぼくは
転ぶことも
支えるものをつかむのも
知らないままでいて

自分のための歌より
歌いたいのは
立って歩いて
はるか先にいる
見知らぬ先のきみの歌

立ち上がることが
できなくても歌は歌える
だれかのための空回りも
ぼくの忸怩を過去にする
そんな無邪気な無様な強がりを
きみは笑うだろうけれど

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?