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M&A・不動産取引における環境デュー・ディリジェンスの重要性

【Q】

土地建物を取得しようとする場合や、M&Aによって土地建物を保有する企業を買収しようとする場合に、当該不動産に環境汚染や廃棄物が存在するかどうかの事前調査(デュー・ディリジェンス)を実施する必要はあるのでしょうか。
また、デュー・ディリジェンスを行ううえでの注意点はありますか。

【A】

発見された汚染・廃棄物の除去費用が10億円を超えるような事例も多数みられるほか、取得した不動産から汚染が流出・拡散するリスクもあります。
その一方で、取引の相手方に対する法的手続には時間とコストを要するうえ、請求額のすべてが回収できるとは限りません。
そのため、取引前のデュー・ディリジェンスを適切に実施することが重要です。
もっとも、環境汚染の性質やその調査方法は専門的・技術的な事項が多く、規制内容や法的評価の問題点も多岐にわたります。
また、行政への対応において留意しなければならない点もあるため、専門家に相談しながら進めていく必要があります。

【目 次】

  1.  デュー・ディリジェンスの種類・特徴

  2.  環境デュー・ディリジェンス(環境DD)がなぜ必要なのか

    1.  汚染・障害物の対策費用の高額化

    2.  法的手続きの限界

  3.  環境デューディリジェンスの概要

    1.  土壌汚染調査(デュー・ディリジェンス)の概要

    2.  建物環境調査(デュー・ディリジェンス)の概要

  4.  環境汚染調査の実務上の問題点

    1.  調査済み・対策済みの箇所から汚染・廃棄物が発見される例が多く見られる

    2.  対策範囲の確定が必ずしも容易ではない

    3.  汚染原因の判断は必ずしも容易ではない

    4.  汚染調査には相当な時間と費用がかかる

    5.  受領した開示資料を全面的に信用できない

    6.  環境・廃棄物分野においては規制内容が日々改訂され、行政機関ごとに見解が異なることがある

    7.  環境汚染・廃棄物の性質・調査対策の内容は技術的・専門的内容に及ぶ


弁護士  猿倉 健司  Kenji Sarukura
牛島総合法律事務所  Ushijima & Partners

 E-mail: kenji.sarukura@ushijima-law.gr.jp
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