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学びの対価

私が企画のお手伝いをしているNPO法人緑の地球ネットワーク(以下、GEN)の勉強会ですが、昨年の後半から会員以外は有料とし、応援チケットを購入してもらう形にしています。ちなみに、GEN会員であれば会員特典として無料で参加頂けます。

(▲上記、興味のある方はぜひ。まもなく〆切です(本記事の公開時点)。

この勉強会、これまで無料で行ってましたので、その有料化については、当初、反対意見もありました。
反対の理由は、「有料化したら参加者が減るんじゃないの」というもの。感覚としては分からないでもありません。

これに対して有料化に賛成の意見としては、「有料のイベントでもその目的に賛同すれば積極的にお金を払う人も多くなっている」「そもそも無料のままでは長く続けられない」というもの。私は、有料化の旗振り役でしたので、賛成派の意見と同じ見解を持っていたのですが、反対派の意見の背景を考えると、結構複雑な気がしてました。

まず、「この企画はお金を頂けるほどのものではないのでは?」という心配があったのではないかということ。その気持ちもわからなくはないのですが、実際は、企画、講師の依頼、集客まで、かなり時間をかけてスタッフが準備をしていますし、森林や植物学の分野に詳しい関係者にも必要に応じて相談していますので、その点が問題になるとは思っていませんでした。もし、このような暗黙の了解があったとしたら、これは、事前に、勉強会の準備をしっかりしている点を関係者にもっとしっかり伝える必要があったのかもしれません。

また「Youtubeなどで無料で学べる素材があるのに、有料化する必要があるのか」という考えについて。これは、前者よりも大きな問題だと感じています。私たちは、有料でも無料でも、公開されている情報に対して性善説で考えがちです。これは、ある意味、人としてあるべき姿だとは思いますが、例えば配信で収益を上げることだけを考えるのであれば、情報が正しいか否かを問わず、その時に話題になっていることを大げさに取り上げれば視聴数は伸びるのは必然。

情報の裏どりをするには、それをするだけの知識と時間が必要です。これらにはお金がかかることも容易に想像してもらえると思います。そういう意味で、無料の媒体よりも有料の媒体の方が、より正しい情報を得られる可能性(100%ではないですが)が高いということは言えると思います。この点は、無料の媒体が発する情報を信頼することが危険である可能性があるということにもつながります。

GENなんでも勉強会の有料化を行うにあたり悩んだのは、一回の参加費をいくらに設定するかでした。決め手がなかったので、500円、1000円、2000円、他、の設定にしてみました。500円より安いのは勉強会の対価としてはないだろうという判断でしたが、上限をいくらにするかはエイヤーで決めたのが正直なところ。

ところがふたを開けてみると、一番安いラインだけでなく、より高額の1000円、2000円のお金を払って勉強しようと考えてくれる方が多くいらっしゃることに気づかされました。新たな発見でしたし、よりよい企画を考えていこうとするモチベーションにもつながります。もちろん、収入源の多くないNPOにとって、貴重な運転資金となります。ありがたいことです。

また、有料化の隠れたメリットとしては、当日のドタキャンがほぼゼロになったことでした。参加費が無料のころには、申込の半分が参加してくれればOKな状況で、ちょっと残念な思いもしていました。

しっかり何かを学ぶには、それなりの対価を払おうと考える方が、世の中思ったよりも多いということを知り、ちょっと感動したので、この記事を書きました。

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