デジタル・ツイン -未来を救う可能性
デジタル・ツインという言葉を聞いたことがあるだろうか。
これは近年注目されている新しいテクノロジー技術であり、近い将来私達の生活に密接した、なくてはならない存在になると示唆されている。
この記事を書くにあたり、デジタル・ツインについてGoogleで調べてみたのだが、非常に奥が深かった。というのも一石二鳥で調べ切れる情報量ではなかった。
情報の振り幅が大きい——これから分かる事実として、今はまだデジタル・ツインは可能性の段階にある、ということだ。
もちろん、実際に活用されている技術ではあるが、様々な分野に広く浸透している訳ではない。閉鎖的な分野においてのみ利用されているのが現状だ。
考察の記録を残すには、今得ている情報量ではあまりに少ない。従って、更に知識を得たのち、改めて記事を書きたいと思う。
ではなぜ今日、デジタル・ツインについての記事を書こうと考えたのか。
アートシンキングの授業でデジタル・ツインのあらましを聞いたときに「これは医学、更にいえば発達障害者支援に活用できる技術では」と感じたからである。それは正しく目指している未来の形だった。
そこで今回は、私の考えをただただ残したい。
以下は、上辺だけの知識を元にした完全なる私見である。けれども、発想の可能性として、未来へ繋ぐきっかけになればと思い、書いてみることにした。
デジタル・ツインとは
最初に、デジタル・ツインのあらましを共有しておきたい。
デジタル‐ツイン【digital twin】 の解説
実世界における物理的対象の状態や挙動を、IoTやセンシング技術で取得し、その物理モデルを仮想世界にリアルタイムで再現する仕組み。CAEによる設計開発、産業用ロボットの動作シミュレーションのほか、スポーツ中継で各選手の動きをコンピューター上で再現する技術などに応用される。
(goo辞書より引用)
goo辞書の説明は、数ある中でも分かりやすいと思ったが、より噛み砕いていうと「現実世界のものを、コンピューター上で再現する技術」となる。
ここで疑問に思った人もいるだろう。
これは既に、シュミレーションという形で利用されている技術だ。
けれども、この2つには決定的な違いがある。
それが「リアルタイムで情報を知れるか否か」という点だ。
現実の過去データを元に再現するシュミレーションとは異なり、
デジタル・ツインは、現実世界におけるリアルタイムの情報を、サーバーを介して、コンピューターにある現実世界の基礎データへ送信する。
基礎のデータとリアルの情報、この2つが合わさることで仮想再現が成り立つ。リアルタイムの情報が加わることにより、更に複雑で詳細で高性能な再現が可能になる。
まさに言葉の通り「デジタルの双子」を作るテクノロジー技術だ。
様々なサイトを読んでみたが、下に貼ったサイトが最も簡潔で分かりやすかった。より詳しく知りたい人は読んでみることをお勧めする。
こちらの動画も約2分という短い時間でデジタル・ツインについてまとめてあり、気軽に楽しめる。(視聴の際は、日本語自動翻訳をONに)
また、数少ない実際の利用現場の一つとして、富士通が検証動画を上げていた。こちらも面白く、4分とかからず視聴できる。
デジタル・ツインを用いた取組
冒頭にて「閉鎖的な分野においてのみ利用されている」と述べたが、その大きな所が機械のモデリングである。
飛行機のエンジンをデジタル・ツインを用いて仮想再現し、リアルタイムで動作確認やシステムの具合を点検するのに役立てている。
他の分野では、「サッカー選手の動きを仮想再現し、より良い動き方やポジションを見つける」といったスポーツの分野。
それから、「デジタル社会を目指すシンガポールが、国全体を仮想再現し、街づくりに活用している」といった政治の分野。
まだまだありそうだが、調べた中で目についたのはこれくらいだ。その上、これらはまだ研究段階と伺えるものが多い印象だった。
これから更に活躍の場を増やすだろうデジタル・ツイン。
では、私の考えた医療の現場ではどうだろうか。
Googleで検索してみると、既にデジタル・ツインを利用した医療改善の動きが見られた。
例えば、医療機器や人体に内蔵、脳味噌などをデジタル・ツインを用いて仮想再現する。これにより、詳細なデータを得られるため、病気の治療改善などに繋ぐことが出来る。
研究段階ではあるが、近い将来、仮想再現による医学の進歩を予期させる。
発達障害を可視化したい
医療現場で活躍する未来は、近い将来実現するだろう。
それならば、私の望む発達障害者支援への活用はどうだろうか。
これは非常に難しい問題だ。
というのも、発達障害は目に見えないのである。
原因が分かっているものもあるが、私が最も支援したいと願う自閉症スペクトラム(詳細サイト)は未だ原因不明で、治療薬も開発されていない。
「物理的ではないものを、どうやって仮想現実にするつもりだ」
という話である。
けれども、どうしても、発達障害を目に見える形にしなければならない。
私は理解されにくい原因として「当人以外は経験したことがないため辛さを理解し難く、更には目に見えないため信じることが難しい」と考えている。
「経験したことがない」という点については、感覚過敏(詳細サイト)に限るが、既にVRを用いた擬似体験の技術が開発されている。
ならば目に見えない問題は、仮想現実を用いてならば可能になるのでは、と考えたのだ。
具体案を現時点で言葉にできないため、訴えに納得力を持たせられないことが心苦しいのだが。理解して欲しい相手が見て「こういう考え方や感じ方の違いがあるんだね」と納得させられる何かが欲しい。
これは目に見えない。
だからこそ、サイバー空間に作るデジタル・ツインならば——と考えが頭を過ぎったのだが、けれどもどこかに切り口があると信じてみる。
可視化することは大切だと常々思う。
幽霊を100%信じられないのは目に見えないからで、見てしまえば現実だと実感できる。同じ理論だと考える。
この先、人体を100%仮想現実化できたとたら。
少なくとも、そこから発達障害者に関する新たなデータを得られる。そんな気がする。
そのデータを元に、発達障害者の思考を可視化して、理解を促せたらいいと思う。
私の願う未来の話
この記事を読んで「馬鹿げている。失礼な考えだ」なんて思う人間もいるだろうと予想できるが、私の想いは「発達障害者が必要以上に苦しまなくて済む社会であって欲しい」これひとつである。
可視化したいと言ったら馬鹿にされたこともあった。故に突拍子のない発想であると自覚している。
だから、いち考えとして捉えてもらえると幸いだ。
テクノロジーがアナログにはできない大きな支援をもたらすと、その内のひとつがデジタル・ツインではないかと、多くの知識と技術を取り込みながら、思案し続ける。
私は私の直感を信じる。
未来を救えるか、やってみなければ分からない。
可能性のタネを残すことが私の存在価値だ。
——ここで、キーボードを打つ手を止めよう。