がっかり通信vol.3

とある日の午前中の話。
職場の外からお客さまの声。
「はーい、行きまーす」と「アムロ行きまぁす」バリの軽快な声で外に向かう彼。
数分話ししてお客さまと一緒に商品をもって戻ってきます。
通常、こういった場合は面倒な手続きになる場合が多いか、
お客さまが強面で窓口に戻ってきたかのどっちか。
どうやらとある商品のネットでの暗証番号の変更を試みたができなかったようだ。
私はなーんだ簡単じゃん受付でやったら?と思ったのですが………。

彼は他のお客さまの手続きをしている隣の彼女に
「ネットで暗証番号の変更登録をしようと思ったらできなかったんだ。商品名も読込んで暗証番号も入れるができないんだよ。」と質問というか現状報告。
強面のお客さまがお待ちなのに状況報告だけで刻一刻と時間が過ぎていきます。
彼女は
「まずは情報照会取ってみたらどうですか?」というと
「お客さま照会ならとった」
「でもそれじゃ何も情報ないですよ。情報照会で商品名とか、受付のみ利用とか確認しないと」と周りから見たら上席はどっちと思うくらいの言いっぷり。ふと見ると鬼の角が出かかってます。
彼は「はい、とったよ」と情報照会を渡そうとします。
あたかも陸上日本代表100mリレーのバトンを渡すように何の無駄もありません。情報照会と共に責任も渡してしまおうという匂いが出ています。
そうじゃねぇだろぉと私は思いました。
彼女は鬼の形相となりつつあります。
私は取ったら自分で見てみろよ。元の暗証番号違いでロックされてるとかいろいろ調べることあるでしょ。と心でつぶやきながら、
「AI照会ではこの商品はネットで暗証番号変更でできないって書いてあるよ」と教えてあげると
「この商品です。」と言いながらどうしようと考えています。
私は「ネットでできないなら受付で変更請求書を書いてもらって登録すればいいじゃん」と彼女が完全に鬼と化す前に助け舟を出しました。彼は一生懸命に変更請求書を探しますが見当たりません。
私はすかさずPCから印刷して渡します。
まだ完全に鬼になっていませんが眉間のしわが深くなってきており着実に鬼になりつつあります。でもとりあえずは一安心。ナイスフォローだな俺。人事評価のチームワークは◎だなと。
彼女が「でもこの商品でもこの用紙で大丈夫ですか?この商品用の用紙がないですか?」と言います。
確かに他の商品は用紙が違うなと思う私。「問い合わせ先にに聞いてみたら」と優しい一面を見せる彼女。
ここでやっと彼が動き出しました。私の指示で問い合わせ先に電話しねぇくせに彼女(鬼)の指示には従うんかい!と思いつつも
問い合わせ先に電話するといま出力した用紙でいいみたい。一件落着です。
と思ったら
勤続30年目の彼に「お客さま照会じゃ何もわからないから情報照会で見てくださいって前にも言いましたよね」と
完全に鬼となっていた彼女にこの時初めて気づきました。

確かにこの流れの中で彼が自ら行動した内容は「0ゼロ」。全て指示待ちです。
問い合わせ先への電話も言われてからの行動。
普通なら【ネットでダメ】⇒【受付で用紙書いて手続き】の考えはノンストップなわけで。
そりゃ鬼になるわな。

ちなみに難しい手続きでも何でもなく、強面でしたが優しいお客さまがずっと待っててくれました。

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