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「その争いで得をするのは誰?」を問う。
男vs女、若者vs高齢者、都市vs地方、ブルーカラーvsホワイトカラー。
こうした対立があちこちで煽られている。
「どちらが優遇されているのか?」
「どちらが搾取されているのか?」
でも、この構図で争っている限り、状況は変わらない。むしろ、問題の本質が見えにくくなっていく。
よく見過ごされがちなのは、「資産家vs労働者」という軸だと思う。
「若者vsお年寄り」として語られる年金問題。負担を押し付けられているのは若者だ、いや高齢者の生活が厳しいんだ、と対立が煽られる。でも、資産を持つ者はどの世代にもいるし、持たざる者もどの世代にもいる。男性にも女性にもいる。
世代間や、その他の集団間の争いにしてしまえば、富を独占している層には一切ダメージがない。
「ブルーカラーvsホワイトカラー」も同じ。どちらも労働者であり、雇われる側なのに、「どちらが大変か」と争っていても、支配構造は変わらない。
属性ごとの対立に気を取られていると、重要な構造が見えなくなる。
「下層」がお互いに消耗しているのを見て、資産を持つ層は笑いが止まらないだろう。
大事なのは、「この争いで得しているのは誰か?」という問いだと思う。