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30年の歴史の重み
飲食店の歴史には重みがある。継続することは力なのである。
考えてみて欲しい。飲食店の開業はお金さえあれば誰にでもできる。しかし、1年以内に6割が廃業すると言われる世界。黒字にし10年維持することは困難だ。
だから、多くの人は創業〇〇年などの言葉に弱い。歴史があればスゴい気がするし、飲食店ならそれは美味しいのだろうと思ってしまう。
特に歴史の力に支えられているのが「秘伝の継ぎ足しのタレ」ではないだろうか。先々代から継ぎ足しながら使っている、〇〇年継ぎ足し続けている、そういう秘伝のタレを持つ銘店は多い。
先日、老舗の焼き鳥屋で30年継ぎ足し続けているという秘伝のタレを使った焼き鳥を買ったのである。30年毎日焼き鳥を焼き続けてきた歴史。そして、その間一度も絶やさないように毎日仕込み続けたタレである。
こうした歴史の重みは簡単に生み出せるものではない。なんと言ってもこれから同じことをやろうとすれば単純に30年かかる。なんとも有難いタレである。根拠はないが美味しいに決まっている。
そんなことを考えながら自宅で焼き鳥を食べていた。一緒に食べていた妻も30年継ぎ足しのタレと聞いて有難がっている。
その時ふと口をついてでたのだ。
「30年前っていうと平成4年か」
「え?平成4年?このタレ平成生まれなの?わっか!わっかい!若いよ!青二才じゃん」
僕らは昭和生まれ。立派なオジサンオバサン。僕らにとって平成生まれは青二才。どこかになんとなくそういう気持ちがあるのは否定できない。30年の歴史の有難みも平成という言葉の前には無力なのだ。
20年前や30年前という歴史の重みを和暦に変換してはいけない。僕は新たな教訓を得たのだった。
しかしまぁ、平成20年くらいまではもう小中学校の歴史の教科書に載ってると思われるので、いい加減自分が歳をとったことを自覚しないといけないのだ。なんと言っても今はもう令和なのだから。
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