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麻衣とずん太の「知財コソコソ噂話」第2回(『愛の不時着』にまつわる知財)

麻衣: 皆さん、明けましておめでとうございます!

ずん太: パクリではなくてオマージュの「知財コソコソ噂話」の第2回にようこそ!

麻衣: ずん太くんと一緒に観たNETFLIX配信の韓国ドラマ『愛の不時着』は面白かったわ~。主役を演じたヒョンビンのファンになっちゃったわ!

ずん太: 「愛の不時着」って、2020年の「ユーキャン新語・流行語大賞」のひとつに選ばれたんだよね。動画配信サービスのタイトルが選ばれたって驚きだよね。前回の麻衣さんの話だと、ドラマのタイトルには著作権がないから、たとえば『恋の不時着』というドラマを作っても全然問題ないってことだよね。

麻衣: タイトルに関しては、そういうことになるわね。でも、内容までそっくりなドラマを作ったら、著作権侵害になる可能性も否定できないわ。

ずん太: どこまで似ていると問題なのかな? 『愛の不時着』って、空から落ちてきた女性と運命的な出会いをするっていう話だけど、『天空の城ラピュタ』とか『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』なんかも、ヒロインが空から落ちてくるじゃない。『愛の不時着』がこういった作品の著作権を侵害しているってことはないかな?

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麻衣: 何を言うのよ。出会いのコンセプトが似通っているだけよ。コンセプトやアイデアは著作権で保護されるものではないの。そんなことを言い出したら、ヒーローが変身したり巨大化したりする作品を自由に作ることもできなくなるじゃない。著作権は「創作的な表現」を保護する権利だから、表現としてまったく異なっていれば、何ら問題はないのよ。また、「ありふれた表現」については、似通っていたとしても問題ないことが多いわ。

ずん太: なるほど。それと、おそらくCGで加工したものだと思うけど、『愛の不時着』には、平壌(ピョンヤン)の街のシーンも出てくるよね。現地の建築物とか勝手に登場させても問題ないのかな?

麻衣: 一般的な建築物は著作物には該当しないから、そもそも著作権はないわ。美術性の高い建築物は著作物となる可能性も否定できないけど、それを映像として利用する程度の行為であれば、著作権が及ぶことはないの。街中にあるものなのに、いちいち許可が必要となったら大変じゃない?

ずん太: そう言われてみれば、たしかにそうだね。

麻衣: 自分で撮影する場合は問題ないけど、他人が撮影した写真を無断で流用するとマズいことになる点には要注意ね。人が撮影した写真は、たいていは著作物に該当するから、撮影した人の著作権が働くからよ。引用など著作権が制限される例外を除けば、他人が撮影した写真を無断で利用する行為は著作権侵害となってしまうわ。

ずん太: 小さな子供やヨボヨボのお年寄りが撮影したスナップ写真でもマズいってこと?

麻衣: ええ、そういうことになるわね。ちなみに、この2枚の写真は撮影した人の許可を取っているから大丈夫だけどね。

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ずん太:もしかして平壌(ピョンヤン)の写真かな。

麻衣: そのとおり。私のお友達が22年前に撮影したものよ。『愛の不時着』には平壌(ピョンヤン)のお洒落な場所が出てくるけど、洗練された場所もそれなりにあるみたいね。芸術や文化のレベルも結構高そう…。

ずん太: 北朝鮮って、映画もたくさん作っているんだよね。北朝鮮の映画を日本で上映するときは、どうやって許可を取ればいいんだろう?

麻衣: あら? 許可なんて取る必要ないわ。

ずん太: え、どうして?

麻衣: 日本の裁判で最終的にOKということになったからよ。次回は「北朝鮮と知財」についてコソコソ噂話をしてみるわ。楽しみにしていてね。


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稲穂 健市 Kenichi Inaho
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