宇賀那健一/Kenichi Ugana

1984年生まれ。ブレス・チャベス所属の映画監督。VANDALISM代表取締役。 『魔…

宇賀那健一/Kenichi Ugana

1984年生まれ。ブレス・チャベス所属の映画監督。VANDALISM代表取締役。 『魔法少年☆ワイルドバージン』新宿バルト9他全国公開中。『転がるビー玉』2020年1月31日よりホワイトシネクイント他 全国劇場公開。『サラバ静寂』『黒い暴動♡』DVDレンタル&セル、配信中。

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『往訪』という映画について(『未知との交流』のうちの一話)

12月3日(土)公開の『宇賀那健一監督短編集 未知との交流』の3作目は『往訪』という作品です。 この映画に関しては、本当は文字にしたくないんです。とにかく体感してほしいし、活字に出来ない面白ネタが沢山あるのでトークも聞きに来てほしい。でも、書ける範囲で書きます。 撮影が行われたのは2021年の4月。プロデューサーから「とにかく宇賀那の好きなことやろうよ」と言われて始まった企画です。 色々なところで話してはいますが、僕の映画の原体験はホラー。 本作には僕のホラーコメディ愛を、

    • 『モジャ』という映画について(『未知との交流』のうちの一話)

      12月3日(土)公開の『宇賀那健一監督短編集 未知との交流』の2本目は『モジャ』という作品です。 僕の過去作品『転がるビー玉』でご一緒したカエルムさんと何か新しい作品を作ろうという話になり、プロデューサーの戸川さんとAPの比嘉さんと色々と練りながら作品を紡ぎあげていきました。 撮影が行われたのは2021年の11月。企画を始めたのは初夏くらいだったかと思う。 長引くパンデミックによって、打ち合わせも何もかもがオンラインになる中、直接対面しての「対話」の重要性をひしひしと感じて

      • 『適応』という映画について(『未知との交流』のうちの一話)

        12月3日(土)公開の『宇賀那健一監督短編集 未知との交流』の1本目は『適応』という作品です。 『適応』という映画は『異物-完全版』という今年初頭に公開した僕の長編映画の第2部として誕生しました。 第1部の『異物』を撮影したのは2019年の10月。 『不条理コメディ』を撮りたいといって短編映画『異物』を撮影していたのですが、パンデミックの襲来により世の中の方が不条理に満ち溢れてしまい、「映画が現実に負けるわけにいかない」と急遽『異物』の続編として『適応』を撮影し、その一部は

        • 『転がるビー玉』に寄せて

          NYLON JAPANさんと映画でご一緒出来ると決まったときに、「夢を追う」「2019年の渋谷に生きる」「女の子たち」の話にしようとすぐに決めた。 (僕が語るのは僭越ながら)NYLONは、いつだってなりたい自分になるための背伸びをずっと優しく肯定してきた雑誌だと思うし、そこにはいつだって時代性とストリートから生まれた説得力があった。 皆が期待するのは、所謂お洒落なファッションムービーだろうが、僕はそこにたどり着けない、けれど懸命に夢に手を伸ばす女の子たちを描きたかったのである

        『往訪』という映画について(『未知との交流』のうちの一話)

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        • 過去作品に寄せて
          3本

        記事

          『魔法少年☆ワイルドバージン』に寄せて

          「プロダクションノートを書いてください」と言われて、非常に困っている。 普通はこんなことでぶつかった、とか、 こんなことで苦労した、とか、こんな部分で妥協して悔しかったなどを書くべきなのだろうが、企画段階、脚本段階、 現場、編集段階、そして宣伝が始まっている今に至るまで、ずーっと笑っている気がする。 本当に楽しかった思い 出しかないのだ。 だが、だから「これでハッピーエンドでお終い」という訳にもいかない。 自分なりに順を追って 整理してみようと思う。 まず企画段階。 始

          『魔法少年☆ワイルドバージン』に寄せて

          『黒い暴動♥』に寄せて

          僕がギャルに興味を持ったきっかけは過去に監督した映画の出演者オーディションまで遡る。 オーディションに来ていた女の子が「私は中学時代、ガングロギャルで顔に貼るシールを巡って河原で決闘してました」と言ってきたのである。 ピストルズを初めて聴いたときと同じ衝撃が僕を貫いた。 まるで意味が分からない…けど、なんだそれ、クソカッコ良い! それから国会図書館に通い、ギャルがまるでディランのように、時として自らが作ったスタンダードを壊してまで常にカウンターカルチャーであり続ける姿

          『黒い暴動♥』に寄せて

          自己紹介

          はじめまして。 ブレス・チャベス所属の映画監督、宇賀那健一と申します。今後、noteを更新していくにあたって、まず自身が監督した過去の長編映画の紹介をさせていただこうと思います。 ■NYLON JAPAN15周年記念映画 『転がるビー玉』(監督・脚本・企画)【出演】吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯、笠松将、大野いと、冨手麻妙、大下ヒロト、日南響子、田辺桃子、神尾楓珠、中島歩、徳永えり、大西信満 / 山中崇 他 【主題歌】佐藤千亜妃『転がるビー玉』 【製作年度】2020年 202