スポーツ自転車は屋内保管じゃないとダメなのか?
『スポーツ自転車は屋内保管』
これはスポーツ自転車に乗るにとっては常識と言っていい考えですが、これは初心者にとって大きな参入障壁になっていると感じます。
確かに屋内保管は①自転車の劣化と②盗難のリスクを回避できます。愛車と長く付き合いたい方にとって、屋外保管があり得ないというのも分かります。
じゃ、屋外保管はダメなのかというと、私はそんなことないと声を大にして言いたいです。というのも、屋内保管がネックでスポーツ車を始められない方が、非常に多いと感じているからです。なんともったいないことか。
今回はその参入障壁を下げるために、屋内保管と屋外保管のメリットやデメリットについて書いていきたいと思います。初心者の方だけではなく、愛好家の方や自転車店で働く方にも是非考えてもらいたいです。
屋内保管のデメリットを考える
一番のデメリットは、乗車の度に家の中から出し入れしないといけないということです。
これは特にアパートの2階以上にお住いの方にとって、小さくない問題になります。エレベーターで運べたらまだいいですが、建物によっては禁止されているケースもあります。その場合は担いで運ばなければなりません。想像しただけで、怠いですよね。スポーツ自転車を断念する理由としては、十分すぎます。
一階にお住まいの方も、全くストレスがないかと言われると、そうでもないです。運び出す際に壁にぶつけて傷つけたり、汚れが付いたりすることが頻発します。
乗車の際にこの面倒くさい作業が必要と考えると、触手が伸びなくなるのもやむを得ないですよね。
もう一つ。当たり前ですが、部屋の中に自転車を置くスペースが必要になります。
冷静に考えると、自転車ってまぁまぁ大きいですので、新たにスペースを確保する必要があります。また、屋外を走った自転車ですから、床にブルーシートを敷いたりしない限り、床が汚れてしまうのもネックです。
スタンドを使えば、省スペースで床から離して保管できるのですが、1万円くらい余計に費用が……。
ただでさえ、高価なスポーツ自転車で、保管場所の確保でさらにお金がかかるとなると、二の足を踏んでしまう人がいてもおかしくないでしょう。
また、スタンドだと地震などが原因で転倒するリスクも発生します。実際、私の家で、地震によってスタンドが倒れました。軽いとはいえ自転車は10キロ弱はあるので、なかなか危険です。寝室ではなかったので、無事でしたがワンルームにお住まいの方は、結構怖いですよね。
経験者や自転車店の店員さんは簡単に「基本は屋内保管」と言いますが、これだけの障害を乗り越えないと屋内保管はできないということを、肝に銘じておきましょう。
もちろん、屋外保管にもデメリットはある
まず、自転車の劣化。走行性能が落ちるのはもちろんですが、出先でトラブルにある可能性が高くなります。パンクはいい方で、ブレーキが効かなくなったりすると命にかかわってきます。
また、タイヤやワイヤーなどの消耗品が傷みやすいということは、交換する頻度が上がるため、ランニングコストが高くなってしまいます。
次に、盗難のリスク。
私のお店では月に1~2人ほど自転車の盗難にあったという方がいらっしゃいます。その方たちから話を聞いた限り、最も盗難に逢いやすい場所というのは、アパートの駐輪場です。
本当に多いです。不安な方は少し頑丈な鍵を付けたり、複数個の鍵を付けたりするなど、工夫が必要になってきます。
屋外保管の場合、自分の命や高いお金を出して買った自転車が一瞬で台無しになる可能性があります。
メリットとデメリットを把握して、自由に選択しよう
簡潔にしてみると、以下のような関係でしょうか。
屋内保管 → 高頻度・低被害
屋外保管 → 低頻度・高被害
屋内保管のデメリットを多めに書いてきましたが、どちらの保管方法にもメリットとデメリットは存在します。正解はありません。
長所短所を踏まえたうえで、個人個人がどちらを選ぶか選択すればいいと思います。
この記事で、屋内保管が理由でスポーツ自転車購入を辞める人が1人でも減ってくれることを祈りたいと思います。