除染土、除去土壌ってなに?
除去土壌の再生利用。これを使って食用作物を栽培する試験が始まったとか。2020年5月には、小泉進次郎環境大臣が収穫したトマトとキュウリを食べると記者会見で言っていました。(私はびっくりしました)
でも、環境省のホームページをみても、その経緯がほとんど書かれていません。一体何か意味不明ですね。
そこで、そもそも除染土、除去土壌とは何か、お話しします。
除染土って何
東京電力福島第一原発事故で、広い地域が放射性物質で汚染されました。もっと簡単にいうと、東京電力が広い地域を放射性物質で汚染してしまいました。それで皆が困っています。
放射性物質は、化学的に「処理」して無くすることはできません。なので、土地にある土(土壌)から、汚染されている土を剥がしていきました。
剥がしたものを「除去土壌」といいます。また、新聞やテレビでは「除染土」とか「汚染土」と言われたりします。
つまり、ごくわかりやすく言うと、「放射性物質で汚染された土」=「除去土壌」=「除染土」「汚染土」 です。
Twitterでの反応
ネットの議論をみていたら、除染土のことを、もしかして「きれいになった土」のことと、まるっきり反対に理解されているんじゃないだろうか?と思うようになりました。
そこで、次のようにツィートしました。
そしたら、意外なことに、沢山のリツィート。さらに・・
と教えてくれる方がいました。
なるほど〜。わかりにくいですよね。国は、言葉の使い方がおかしいですから、一般市民が悪いわけではありません。国は、わざとかもしれませんね。
まとめ
まとめます。
福島原発事故関連では次のような意味があります。
除染 = 放射性物質で汚染された土壌を剥がしとったりすること。
※ 正確にいうと、土で覆ったり、遮ったりすることも「除染」と言います。「覆うとか、遮るとか、それが除染なんかい?除いてへんやんけ?」とツッコミがでそうですね。これが国の言葉の用い方なんですよね。
「除染」の意味からは想像できませんが、要は、放射性物質はなくならないので、剥がしたり、覆ったり、遮って、人に害のないようにすることを「除染」といいます。
除去土壌 = 放射性物質で汚染されている土壌(除染で発生)(=除染土、汚染土とも。)。きれいになった土のことではない。
さらに「再生利用」が・・
今問題は、「除去土壌」=「除染土」=放射性物質で汚染されている土 を 国・環境省が「再生利用」しようとしている、ということです
「再生利用」といっても、そもそも放射性物質を取り除くことはできません。(できるのなら、はじめからそうしてます。)
「放射性物質が入った土」を利用すること、が「再生利用」です。「え、なんやねん?」と思うでしょう。これは別の項目でお話します。
以上はものすごく簡単に説明しています。詳しく知りたい方は、『科学』(岩波書店)2020年3月号に寄稿した拙著を読んでみてください。