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【013】手話を始めたきっかけの話〜オレンジデイズみたいな大学生活送りたい〜
こんばんは。
今日は僕が手話を学ぼうと思ったきっかけの話をしようと思います。
まず皆さん『オレンジデイズ』というドラマを知っていますか?
妻夫木聡さんや柴咲コウさんなど男女5人の学生が大学のキャンパスで出会い、忘れられない青春の日々を送る話なんですが、その中で柴咲コウさんは聴覚障がい者の役を演じています。ちなみに、主題歌はMr.Children さんの「Sign」。何年経っても、いい曲はいい曲だし、ドラマの名シーンや自分自身の大学生活が思い出される大切な一曲です。
また柴咲コウさんは、去年自粛期間中にライブでカバーもされています。聴覚障がい者の役だったこともあり、彼女の声でこの曲を聞くと、またヤバいです。
さて、放送当時高校生のミーハーだった18歳の私は、まだ自分の将来の選択肢に「就職する」という考えが浮かばなくて、完全にドラマに影響を受けて、「こんな大学生活送りたいな」という安直な考えでAO入試にチャレンジして大学へ進学しました。笑 (今覚えば、本当やばい考えだと思います)
田舎町を飛び出し、電車に乗るのも、一人暮らしするのももう何もかもが知らない環境だったのでドキドキで、ホームシックにもなりました。
それでも徐々に友達が出来たり、バドミントンのサークルに入ったり、教員免許の資格取得の勉強を始めたり充実はしていましたが、ドラマみたいなキラキラした当大学生活は、全く程遠い夢のまた夢でした。笑
そもそも私が進学した商業系の大学には「手話サークル」がなく、また聴覚障がいの生徒もいませんでした。
ただ、入学して数ヶ月。
バドミントンサークルに入って来た同期の中に、たまたま手話サークルを作りたいと漠然に言い出した「有言実行バリバリ活発タイプ」の子がいて、(偶然だけど運命?笑)その子の活動に便乗し、集まったのは数名でしたがサークル活動が始まりました。
そこから、当時携帯アプリの「mixi」(懐かしい!笑)を通じて、サークル活動の書き込みを更新すると大学近くの聾学校の生徒がその更新した記事を観てくれて、サークルに入りたいと言ってくれて、最終的に同期は男子4人女子2人のグループが誕生しました。
最初は、辞書やドラマを何度も見て調べて形から覚えていた手話。それが、実際に難聴者の方とコミニュケーションを重ねる方が、楽しく覚える事が出来、覚える速さも断然早くなっていったように思います。
ただ一緒にご飯を食べるだけでも、色んな単語を知ることができるし、一緒にディズニーランドへ行った時は、ディズニーランドのサービス精神を知ることも出来たり、スノボーやキャンプ、そしてこんな自分でも手話技能検定3級を取得する事ができたり、もう、、それからの日々は今思えば本当に充実していたように思います。
そして大学3年生の時。他県から実際に難聴の子の大学への入学が決まり、先生が板書したり、話す内容を手書きやパソコンで打ち込む「ノートテイクボランティア」の活動も始まり、1つまた1つと活動の幅が広がっていきました。
そしてその子が、実際に芸能のお仕事にも興味があり、ドラマ「オレンジデイズ」に手話指導をした「きいろぐみ」という団体に所属することが決まって、授業中でもちょっとした芸能の撮影の裏話を知れたり、発表会のお手伝いをしたり、発表会にも顔を出したり、私自身も「きいろぐみ」の勉強会に参加することもできました。
田舎でドラマをただ楽しむ一視聴者だった自分が、数年後、あの妻夫木聡さんたちに手話指導をした団体で手話のパフォーマンスを学ぶ日が来るなんて今思っても、ある事がきっかけで人生何が起こるかわからないなと思いました。
その後大学を卒業してから、なかなか手話を使う機会は減って来ましたが、時々障がいある方と仕事で接する時、手話を使ってみると驚かれることが多く、あの経験は今も生きています。(手話って忘れないものですね。。。)
そして社会人になり、東日本大震災が起きた数ヶ月後。
1本の電話を同期から受け、その後輩の子が車の事故で亡くなったと報告を受けました。深夜バイトが終わってから帰宅途中道路を渡ろうとした際、車の音が聞こえず事故にあったようです。
ネット等で記事にもなりましたが、彼女に障がいがあったことは記載されておらず、亡くなっても心無い書き込みをする人が世の中にいて、もう当時は言葉になりませんでした。
最後にあった時、「また会いましょう」と笑顔だったのに。。。
社会人になって久しぶりに同期に会うのが「お葬式」になるなんて、、、
とても綺麗な顔で眠っている姿。今も鮮明に覚えています。
それから同期のメンバーも仕事などでバラバラなってしまったり、その子の件があってからはなかなか連絡を取らなくなってしまいました。
ただ数年経って今は、彼女の分も一日一日を大切に生きようと決めて毎日を過ごしています。そして、彼女の存在でより自分の大学生活が色づいたのは間違いないのでとても感謝しています。 本当にありがとう。
とにかくこんな最高なドラマを生み出した脚本家の北川悦吏子さんや作品に携わる全ての人に感謝です。まだ観たことない人がいたら、ぜひ1度観て欲しいです。 手話…また勉強してみようかな?笑
それでは今日もありがとうございました。
悪天候明けの太陽は…今日もオレンジ色!笑
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