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新人先生伴走物語⑥「2学期が始まりました。」

我が田辺市では、今も8月31日まで夏休みです。9月2日から2学期がスタートしました。
当地方では、夏休みには2度の登校日、2回程度の校内研修会を持つことが定番となっています。保護者との個人面談もほとんどの学校で実施しています。学校によっては水泳大会や様々な学校行事もあります。また、自主的な活動として教科研究会主催の研修もあります。加えて県教委主催の初任者研修があります。
しかし、何と言っても夏休み。
お盆の3日間の特別休暇のほかにも2日間の特別休暇があり、うまく組み見合わせれば結構まとまった年次有給休暇を取ることもできます。
私が担当している4人の初任者の先生方も、先生として初めて迎える夏休みをそれぞれに有意義な過ごし方をしたようです。

教室からの風景

初めての夏休み

夏休み。
慌ただしい毎日を過ごしている先生たちにとっては、貴重なリフレッシュと学びの時間です。先輩の先生方の中には、要領よくスケジュールを組んで、よく遊び、よく学んでいる方もいます。しかし、新人先生たちにとっては初めての経験。どのように過ごしたのかを聞いてみました。

思ったよりも休みを取ることができたというのが、担当している新人先生たちの率直な感想でした。
休みの時には、実家に帰ってのんびりと過ごした先生もいれば、学生時代の友人たちとグランピングを楽しんだり、部活仲間とスポーツに汗を流したり、初めての海外旅行に出かけた先生もいました。

グランピングやスポーツを楽しみながら、旧友との話題の中心は、学校のこと、授業のことだったそうです。他府県で先生として採用された友人との情報交換は大いに刺激になったそうです。
実家で過ごした先生も、多くの時間を読書に費やしたそう。さる先生から大村はままで、様々な文献にあたったそうです。
初の海外旅行にチャレンジした先生は、夏休みの最後の方には、早く子どもたちに会いたくて、夜も寝付けないほどだったそうです。始業式の後の学活では、初めて海外に行った経験を生き生きと語り、子どもたちも興味津々で聞き入ったいたそうです。子どもたちにとっては、小さなグルーバル体験になったことでしょう。
生き生きと語る新人先生に改めて教職の魅力を感じ、元気をもらいました。

教職へのエンゲージメント

昨年、気になるニュースがありました。
日本の「熱意ある社員」の比率が約5%と調査対象145カ国の中で最も低く、世界平均が過去最高の23%であることと比べると大きく差が開いてしまったということでした。仕事とのエンゲージメントは日本全体の課題であると思います。

しかし、新人先生たちの様子を見ていると、そんな世の中の風潮はどこ吹く風、というように、教職へのエンゲージメントの高さを感じます。教育界の未来は決して暗いものではないと思います。どうか、この気概が削がれることのないように願うばかりです。

心理的安全性が担保された学級を目指して

2学期の一般研修の始まりは学級集団づくり。
1学期にも学級集団づくりについては取り上げましたが、内容はHow to
が中心でした。今回は、理論を中心にした内容です。
学力を高めるためにも子どもたちの人間関係づくりは大切なこと。そのためには先生と子どもたちとの人間関係が大切なこと、また、そのためには先生同士の人間関係がどうなのか。
キーワードは心理的安全性。
グーグルのプロジェクトアリストテレスやタックマンモデル、セキュアベースリーダーシップまでを話題にしながら協議しました。

新人先生たちが興味を持ってくれたのはタックマンモデルです。
組織の発達段階が誕生から混乱期を超えて統一期、機能期と発達していくという理論です。
この理論を知ることで、学級での混乱が組織が成長していくためのプロセスであることがわかります。そうすれば、2学期に学級で混乱が起きたときにも前向きに捉えることができ、子どもに対しておおらかに対応できると思います。

2学期を迎えて、係の活動やICT、授業の工夫など、ワクワクしながら一歩踏み出そうとしている新人先生たち。
私も負けないように学びながら、しっかり伴走していきたいと思います。

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