クリエイティブテクノロジスト
クリエイティブテクノロジスト、今、会社で名乗っている肩書きだ。
振り返ると、今まで、デザイナー、アートディレクターという職種を歩んできた。
デザイナー、アートディレクターとはいっても、グラフィック系のそれとは違い、発想の起点はいつもインタラクティブにあった。人がコンテンツに触れた時のことをイメージしながら、企画、デザイン、プログラムを書くのが自分の仕事だった。デザイナー、アートディレクター、間違いでは無いものの、グラフィック系とデジタル系にはどこか大きな違いがあり、違和感を感じていたのは確かだった。
クリエイティブテクノロジスト、この職種により、自分の違和感は解消した。
クリエイティブテクノロジストとは、一言で言えば「技術力によりUXを ”見える化” し、課題解決へ導く職種」だ。クリエイティブテクノロジストが担うタスクは、企画、デザイン、開発を始め、様々な要素をミックスして、解決策となる「カタチあるUXを提供すること」にある。
センサーやAIといった、目新しい技術を使った提案を考える場合、提案側、受け手側、双方に、頭でイメージすることに乖離が生まれてしまう。また、技術を知らないと、フィジビリティ的に条件にフィットしないアイデアを考えてしまったりもする。
この溝を埋めるには、プロトタイプを作りつつ、その場でUXを試していき、企画、デザイン、開発を組み合わせていく手法が有効だ。さらに、このように高速でUXを検証・改善することで得られるメリットに、試行錯誤の中で当初の想定を超える気づきが生まれる点がある。アイデアはパワーポイントではなく、試行錯誤の中から生まれるのだ。
この職種は定義自体が新しいものであり、理解が少ないのは事実だ。なかなか自分の思うような仕事の進め方はできないかもしれない。であれば、自分自身の行動で証明していけば良い。
今年はアウトプットの数とスピードにこだわる年にしたい。だからこそ、プロセスづくりにも意識して取り組んでいこうと考えている。